後輩に勝ち目がないと知ったとき選んだ道

私が入ってからの10年間で会社が店頭公開、二部上場、一部上場と、みるみる大きくなりました。“お店”に入ったつもりだったのが、企業としてのユナイテッドアローズの部分がだんだん問われるようになってきました。最初は店舗のための販促物をつくっていたのが、そのうち求められるものが企業広告に変わっていきました。上場の広告も私が手がけたんですが、上場の意味がわからないままやっていました(笑)。

03年に社長室広告宣伝課長になりました。管理職は自ら進んでなりました。

会社が大きくなるにつれ、どんどん若い子が入社し、私が20代後半になるとPR部門にもお店から異動で後輩が来ました。その子たちは自分と2歳か3歳しか違わないのに、プレーヤーとして私より優れていると感じたんです。

この子たちと競ってもしょうがない、プレーヤーとして勝ち目がなければ、彼らができないスケジュールやお金の管理をしようと思って業務のマネジメントに仕事の比重を移していったんです。その延長線上で管理職に手を挙げました。