苦手な相手とは上手に距離を置くことも

ここで示した両者が、ある場面でコミュニケーションをとろうとします。これだけそれぞれの常識や感覚が違う人間同士ですから、コミュニケーションをはかるのがかなり難しいことは想像に難くないと思います。

いろいろな場面で話の食い違いが生じるでしょうし、思うように話が進まなかったり衝突したりすることが少なくないことでしょう。

あなたの過去の人間関係を振り返ってみてください。

「ああ、なぜかあの人とはどうしてもうまくいかなかったなあ」

そういう人が何人かいるはずです。

そういう人との人間関係を続けざるをえない場合、相手に合わせるか、あるところでは相手の気分を害さない程度にこちらのペースで考えるか……そのように工夫して付き合う必要があるでしょう。

あとは、可能であれば、そのような人とは接触しないようにすることも1つの方法です。上手に距離を置くということです。

人間関係はどんなときでもつきまとってきます。しがらみなどもあるでしょう。ですから、できるだけ共感できる人との付き合いは大事にして、気持ち良い人間関係のあり方や状態を体に染み込ませるようにしてください。そうすれば、少々苦手な相手ともそれなりに付き合えるようになれるでしょう。

【考え方のヒント】
→共感できる人と付き合って、気持ちの良い人間関係のあり方を体に染み込ませよう!

※本記事は書籍『感情は「5秒」で整えられる』からの抜粋です。

鈴木雅幸(すずき・まさゆき)
心理カウンセラー、企業研修講師、元スクールカウンセラー。
昭和42年、東京生まれ。専修大学卒業後、経営コンサルタント会社に入社。その後、いくつかの職を経験し、一念発起して、トラックドライバーからカウンセラーに転身。心理カウンセラーとして、これまでの12年間で4000回以上のカウンセリングを実施。また、企業研修講師として一部上場企業や中小企業の社員教育を実施。さらにはスクールカウンセラーとして教職員の研修、保護者への講演と教育相談、児童のカウンセリング(1000回以上)を行い、不登校・いじめ・学級崩壊の問題に取り組んだ。現在もカウンセリングを続けながら、私塾「臨床カウンセラー養成塾」にてカウンセラーの育成を行う。また、一般の人たち向けに「カウンセリング」「自信を深める」「人間関係」などのテーマで勉強会・講演を開いている。
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