文章を書くのが苦手だ。メールの表現に悩み、時間がかかる。マナーに厳しい取引先がいる……。一般的な書き方を知れば、面倒は減る。今回、ニーズ別に、フレーズと文例を集めた。日本ビジネスメール協会の平野友朗さんと「ビジネス表現の基本」を確認しよう。

「要するに」を上司は求めている

ビジネス上の報告・連絡では、早さと正確さに加えて、上司が一目で状況を把握できるように、文面を工夫することが大切です。

まずは多方面に散らばっている情報を要約します。このとき、すべての情報を羅列して報告する人がいますが、上策とはいえません。なぜなら、細々した情報から経緯を読み取るには時間が必要だからです。報告の受け手は、それよりも「要するに……」を求めています。そのうえで、今後必要な対策についても簡潔に提案できるといいでしょう。

異動・退職に際して取引先へ送る各種の「おしらせ」も報告の一種です。こちらは、わかりやすさよりも形式を重んじます。数十人に対して一斉に同じ文章を送る場合は、少し堅苦しい言葉を使っても構わないと思います。ただ、ある程度親しい相手に送るときは、「Aさんと○○の案件をやり遂げられたことが私の宝です」などと共通の仕事の経験に触れ、「これまでの経験を生かし、新しい職場でもより一層力を発揮できるようがんばります」と結ぶのがいいでしょう。