矢野経済研究所の調べによると、コールセンター向けシステムの市場規模は、2013年度から17年度の5年間で年平均3.9%で成長する見込みだ。17年度の市場規模は4860億円になると見られる。

コールセンター向けソリューション市場規模推移と予測

今後コールセンターで導入が進みそうなのが、チャットやSNSを使ったサポートに対応するためのシステムだ。コールセンターなどのサービスを格付けする「HDI格付けベンチマーク」を提供するHDI-Japanの山下辰巳CEOは「従来は電話やWebページを使ったサポートが主だったが、15年を境に新たなサポートを提供する企業が増えている」と語る。

新たなサポートとは「LINEやFacebookからの問い合わせを受け付けたり、Yahoo! 知恵袋やOKWAVEでユーザー同士のやり取りをチェックして問題が見つかれば対応する」(山下氏)。その場合、ユーザー対応の窓口が増えるため「受け付けた情報を一元管理して共有するシステムが必要になる。そのシステムをソフトウエアベンダーに依頼して独自に開発する企業が増えている」(同)。

チャットでのサポートについて山下氏は「タイピングが文化として根付いている米国では10年以上前から提供されていたが、日本ではスマートフォンの普及がきっかけになって広がっている」と説明する。

(大橋昭一=図版作成)
【関連記事】
なぜクラウド型コールセンターは利益を稼ぎ出せるのか
ソーシャル時代に企業はどう各種ツールと向き合うべきか
なぜ保険会社がスマホを徹底活用するのか
見学企業が続出! 「電話応対のプロ」が育つ場
なぜ謝罪や苦情の窓口を外注してはいけないか