2016年3月30日(水)

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矢継ぎ早に重機大手3社を襲う「トラブル禍」

三菱重工業、IHI、川崎重工業の総合重機大手3社がそろって、多額な損失を伴う相次ぐ技術的なトラブルに見舞われている。それは、日本のものづくりを支えてきた「機械の総合デパート」の屋台骨を揺るがしかねない非常事態にほかならない。

この危機的状況にIHI、川重がそれぞれ経営陣を刷新し、三菱重工は約2000億円の資産売却に踏み切るなど、ものづくり死守に背水の陣を敷く。3社を矢継ぎ早に襲う「トラブル禍」は、さながらものづくりで満身創痍に陥った各社の姿を象徴している。

最大手の三菱重工は、度重なる設計変更や3度にわたる火災事故などで建造する大型客船2隻の引き渡しが大幅に遅れ、2015年4~12月期で530億円の特別損失を計上し、累計すると特損は1872億円に脹れ上がる。当初、2015年3月を予定していた1隻目の納入は大幅に遅れ、3月14日にようやく引き渡しにこぎつけた。2隻目の納入への影響も避けられず、2隻で約1000億円とされる受注額は丸ごと吹き飛び、特損は受注額の2倍に膨らむ可能性も捨て切れない。

造船事業は同社の祖業なものの、中国・韓国勢の攻勢を前に昨年10月、商船部門などの分社化に踏み切った。しかし、客船建造に限っては「大型客船を建造できる日本唯一の企業」との自負もあり本体にとどめた。その結果は完全に裏目に出てしまった。「国産初」で期待を集める小型ジェット旅客機「MRJ(三菱リージョナルジェット)」も開発が大幅に遅れ、やっと初飛行にこぎ着けたものの、初号機の納入は17年4~6月期から18年半ばにずれ込むなどトラブル続きだ。

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