2016年2月18日(木)

P&Gの「世界で勝つ」外資系トップ育成法

PRESIDENT 2016年2月29日号

早稲田大学ビジネススクール准教授 竹内規彦=聞き手 玉寄麻衣=構成 的野弘路=撮影
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日用品世界最大手のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)。世界約70カ国に事業拠点を持ち、販売網は世界180カ国を網羅する。世界売上高は約9兆円。桐山一憲氏は、新卒でP&Gジャパンに入社。44歳で日本人初となる日本法人の社長に就任し、その後もアジア人として初めてアジア統括責任者に就いた。
世界で活躍し、各地でリーダーを育成してきた桐山氏に、「グローバルリーダーに必要な条件」を聞いた。聞き手は、早稲田大学ビジネススクール竹内規彦准教授。

グローバルリーダーに必要な資質は心技体プラス「徳」

──早速ですが「グローバルリーダーに必要な条件」は何だと思いますか。
P&G 米国本社プレジデント兼アドバイザー 桐山一憲
1962年、大阪府生まれ。同志社大学卒 。85年P&Gファー・イースト・インク(現P&Gジャパン)入社。2002年、日本・韓国担当営業統括本部長、06年グローバルスキンケア担当ヴァイスプレジデントを経て、07年P&Gジャパン社長。12年7月よりアジア統括責任者。15年11月より現職。現在はCEO直轄でアジア、日本の人材育成に取り組む。

ビジネスの世界に限らず、人を動かすには必ず「情熱」が必要だと感じています。情熱を伝えることで、相手のマインドが変わり、行動が変化する。

P&Gで、30年間さまざまなリーダーを見てきましたが、エリアやブランドを問わず結果を出し、部下の才能を引き上げる優秀なリーダーは、必ず情熱を持っています。どれだけ経験やスキルが豊富でも、それだけではトップリーダーにはなれません。

リーダーに必要な条件は、スポーツの世界でよく使われる「心技体」です。「心」はすなわち情熱。「技」は過去の経験に加えて、自身の強みを磨く力。そして、世界を飛び回るグローバルリーダーには「体」力も必要です。

私はここに「徳」の大切さを加えています。「徳」は平たく言えば「相手を受け入れる力」。国籍や人種、性別、年齢、宗教の多様な人々が集まるのがグローバル企業です。自分とは育ちも考え方もまったく異なる人と対するとき、いいリーダーは、まず相手を理解し、その考えを一度すべて受け入れます。それがベースにないと、相手の能力を引き上げることはできません。

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