2016年1月21日(木)

天才か、ほら吹きか。資本主義の先を目指す男【2】 -対談:メタップス社長 佐藤航陽×田原総一朗

田原総一朗の「次代への遺言」

PRESIDENT 2015年11月16日号

村上 敬=構成 宇佐美雅浩=撮影
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通貨はなくなる。インフラはすべてタダになる。経済を選ぶ時代がやってくる――。佐藤航陽氏率いるメタップスは2015年8月、東証マザーズに上場した。若手起業家の間で「天才」と評される佐藤氏が描く、壮大な未来図とは。

経済システムが競合する時代に

【田原】佐藤さんは「スパイクのような仕組みが広がれば、いずれ通貨は使われなくなっていく」とおっしゃっている。とても興味深い指摘です。

メタップス社長 佐藤航陽氏 
東京都現代美術館、宮島達男「それは変化し続ける それはあらゆるものと関係を結ぶ それは永遠に続く(1998)」の前で。

【佐藤】通貨って、必ずしも国の通貨である必然性はないと思うんです。円なのか、ドルなのか、はたまたTポイントか楽天ポイントなのか。一番いいものをユーザーが選べばいい。

【田原】でも、通貨は国が保証しているからみんな信用しているわけです。企業の通貨ってみんな信用するかな。たとえばビットコインが問題になったけど、あれはどうですか。

【佐藤】ビットコインは取引が記録されるので、仕組み上は信用できます。ただ、人が介在すると若干のリスクは発生します。それが露呈したのが、このまえの事件ですね。

【田原】企業の通貨にも同じことがいえるんじゃない? たとえば東芝みたいに、立派な会社に見えてもインチキするような会社もある。そうすると、はたして企業の発行する通貨が信用できるのかと。

【佐藤】それを言ったら国も信用できないですよ。ギリシャのように国が崩壊しかけることもあるし、通貨危機はこれまで何度も起きています。このまえアップルの時価総額を調べたら、世界約190カ国の中で20位台前半の国のGDPと同じくらいでした。つまり、ほとんどの国はアップルより規模が小さい。これからは、どこかの小国よりアップルのほうが信用できる、という人がたくさん出てくるはず。信用度はそれほど変わらないのだから、企業の通貨が国の通貨の利便性を上回れば、案外すんなり使われるようになるかと。

【田原】通貨が企業発行のものにシフトすると、税金はどうなりますか。

【佐藤】国が税金を取りづらくなっていくのは間違いないでしょうね。

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