2015年10月27日(火)

小宮一慶式“教養・哲学”最速学習法「自分の軸になる古典を読む」

会社が手放さない人になる5大スキル【5】教養・哲学

PRESIDENT 2015年2月16日号

大塚常好=構成 早川智哉=撮影 gettyimages=写真
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必要とされる能力、やらなくてはいけないとわかっていても、日々の仕事に追われて学べない。そんな人に、識者の勉強法を公開。

哲学や考え方はなぜ必要か

多くの読者は、とくに若いうちは、哲学や正しい生き方を学ぶ大切さがそれほどわかりません。そんな暇があったら、パワーポイントを上達させてもっと上手にプレゼンテーションをしたいし、マーケティング理論も学びたい、と思う人もいるでしょう。

それはとても残念なことです。もちろん、技も必要ですが、将来は人の上に立ち、組織を率いる存在になりたいと思っているなら、「目の前」の仕事の「技」の向上だけでは不十分なのです。

哲学や考え方を学ぶことは、正しい生き方を知ること、もしくは生き方を見直すということです。

正しい生き方を知らない経営者やリーダー、有望な若手は、仮に現在、能力を発揮していても、いずれ行き詰まります。

稲盛和夫さん(京セラ名誉会長)は「人が成功するためには、能力×熱意×考え方のかけ算が大事だ」といった発言をされています。その方程式にならえば、世の中のビジネスパーソンには、高い能力と熱意を持っているにもかかわらず、肝心要の考え方や生き方が間違っていたばかりにしくじってしまう人が多いのです。経営コンサルタントとして、これまでそんな残念な事例を山ほど見てきました。

致命的なのは、彼らが生き方・考え方のベクトルが正しくないことに気づかないままビジネス人生を続け、また、そうした生き方・考え方を身につける必要性にさえ気づけない人もいることです。

では、どうしたらいいのでしょうか。ほんの少しでいいので教養・哲学の時間を設けるのです。通勤電車内でも、就寝前でも、いい。教養の時間を組み込んでほしい。その蓄積・習慣が仕事や生き方のバックボーンとなり、リーダーに必須な行動力や実行力のエネルギーの源泉となるのです。バックボーンとは、つまり信念。正しい信念こそ、強い生き方のバックボーンといえます。

私が一番にお勧めしたいのは、『論語』です。2500年以上前に書かれた正真正銘の古典。これだけ長い年月、人に読み継がれているのは、そこに古今東西の普遍的な生き方や仕事のしかたに通ずる「原理原則」があるからに違いありません。

(写真=gettyimages)

私は20代の銀行員時代、MBAを取得するため、2年間アメリカ留学をしました。帰国後、理不尽な上司がいて、どう対応すればいいかわからず悩んでいたときに、初めて『論語』に触れました。それ以来、何度も『論語』を読み返しています。私が講師を務める経営者を対象としたセミナーでも、『論語』を読む習慣が正しい考え方を知る、「成功の鍵だ」と説明しています。

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