必要とされる能力、やらなくてはいけないとわかっていても、日々の仕事に追われて学べない。そんな人に、識者の勉強法を公開。

流行はツイッターのタイムラインで

いまはほんとうにたくさんの情報が溢れていますから、自分にとって必要な情報が、早く、自然に入ってくるような道筋をつくっておくことが大切だと思います。必要な情報をどこに取りにいけばいいのか、情報がどの程度まで必要かの見切り方を知っておくことです。

写真=PIXTA

私自身が何をしているかというと、特別なことはしていません。新聞は日経、読売、朝日の3紙を、毎日20分程度で読み比べています。

どの新聞も官庁の発表に基づいて書いた記事には、大きな差がありません。ただ、企業関係の記事は日経が早いですし、朝日と読売は両方部数が多く、ある程度独自取材をしているので、日経でこぼれた話がこの2紙に載ることがあります。

朝日と読売を比べると、読売がやや政権寄りで、朝日が腰の据わらない野党とでも言いますか、ちょっと記事のトーンが違います。ですから、同じ問題についてどう書いているか、その理由を考えながら読むと参考になります。

最近は読売の記事のほうがしっかり裏をとっているなと感じることが多く、朝日は政治経済共に不調なように感じます。

とはいえ、この3紙を隅々まで読むわけではなく、見出しをザッと見て、興味がある記事だけを読みます。

新聞は電子版だと気になる記事をスクラップできて便利ですが、最初は紙のほうがいいと思います。「この新聞のこのあたりを見れば自分の知りたい情報が載っている」、ということがわかるくらい習慣づいたら、紙よりも電子版がいいでしょう。

ニュースが必要なときにとりあえず見にいくのは、NHKのニュースサイトです。テレビでは15分とか30分の番組内で読まれる原稿に近いものが、テキストとして読めますから、2、3分あれば把握できて便利です。

雑誌は経済誌、週刊誌などを7~8誌さっと目を通しますが、情報収集のためのキーにはなっていません。

そんななかで、外国のメディアの「The Economist」は毎週、楽しみにしています。定期購読をして電子版で読めるようにしていると、アナウンサーがきちんと読んだ音声をダウンロードできます。字が小さく情報量が多い雑誌なので、オーディオで聞くことが多いです。

自分の興味に引っかかることがなにかないか、と探すときには、ツイッターを利用します。

情報を発信する立場にある人を200~300人フォローしていて、タイムラインをザッと眺めると、いま話題になっていることがわかります。とはいえ、これも熱心にチェックしているわけではなく、必要なときにサッと見ています。タイムライン上に出てきた言葉を拾って、書籍を購入することもあります。