違いはポテンシャルではなく、心構えと日々の習慣にある。熾烈なグローバル競争が激化する中、成果を出す人の特徴とは? アンケート調査が示す、歴然たる結果に激震が走る!

会社で頑張っていれば大丈夫な右肩上がりの時代はすでに終わった。自分の市場価値を自分で上げ続けなければならない。目の前の仕事だけに終始し、飲みに行く相手も同僚という生活では、激変する社会の動きから確実に取り残されてしまう。この危機から脱するのに大いに役立つのが勉強会だ。

サントリーホールディングス代表取締役社長の新浪剛史氏は、勉強会を強く勧める経営者の一人。勉強会に時間を費やす理由についてこう言う。

サントリーホールディングス代表取締役社長 新浪剛史氏●1981年、三菱商事入社。91年ハーバード大学経営大学院修了。2002年ローソン社長に就任。14年10月から現職。

「経営者の仕事とは、いちはやく社会の大きな流れを感知することだと考えているからです。俯瞰ができず、目の前の効率だけにとらわれていると、取り返しのつかない失敗を招くのです。経営に邁進するのは当然。そのうえで、社会の動きに応じた手を打つ。勉強会で手がかりを探すわけです」(プレジデント誌10/2.1)

新浪氏が勉強会の必要性を感じたのは、三菱商事に入社したての頃に参加した社内外の勉強会だったという。自分より忙しいはずの先輩たちが、経営に限らず歴史や哲学のことにも詳しいことに驚く。回を重ねるたびに、「自分はまだまだだ」と痛感したという。そして、入社後配属された部署が「傍流」だったことが勉強会に参加するようになった大きな理由だったという。

「会社にとって自分が商品だとすれば、マーケティング上の違いがなければ売れない。その違いをつくりたいという思いで積極的に勉強会へ参加しました。『変動相場制』の勉強をいち早く始めたのは、そうした意識の表れでした。

当時、砂糖部の先輩たちは砂糖相場ではベテランでしたが、為替相場にはあまり詳しくなかった。僕は勉強会のメンバーの銀行マンから、『変動相場制では為替が重要になる』と聞いていた。相場の動きやコンピュータの発達を考えれば当然の結論です。その結果、独自に勉強していたおかげで、部内でも重用されることになりました」(09/4.13)