厚生労働省は、2016年度に「第3の企業年金」という新制度を導入することを検討している。これは「協働運用型DC」とも呼ばれ、同制度の加入者全員が、自分の掛け金を単一の運用商品で運用する制度になる。

加入者側と事業者側、どちらに有利な制度設計にしようとしているのか(厚生労働省)。(時事通信フォト=写真)

日本の企業年金制度には、加入者は運用せず、将来の給付額が確定している「確定給付年金」と、加入者が決められた額の掛け金を自分で運用する「確定拠出年金」の2種類がある。これに対して「第3の企業年金」は、将来の給付額は運用結果によって変わるものの、加入者自身は運用対象を選ばないというのが特徴だ。加入者側のメリットとしては、投資の煩雑な手間を省けることや、運用コストを減らせることがある。

しかし、仮に同制度を使った企業年金の運用利回りがマイナスになった場合、事業者側の追加負担がないとしたら、事業者側にばかり都合がよい制度だといえる。この点に関して、ニッセイ基礎研究所金融研究部企業年金調査室長の梅内俊樹氏は、「企業もある程度、運用リスクを負担する制度が検討されるのではないか。『元本保証付協働運用型DC制度』に近いかたちになるのでは」と話す。元本が保証されているなら、運用の手間が減るぶん、加入者にとって悪い話ではないかもしれない。