従業員1人ひとりが、担当する仕事の中身を自ら主体的につくり替えていく行動を「ジョブ・クラフティング」という。これはアメリカの研究者、エイミー・レズネスキー氏とジェーン・E・ダットン氏により提唱された概念で、従業員が自分の関心事や強みを生かしながら仕事を「つくっていく」ことで、モチベーションが高まって質の高い仕事ができる効果を生む。

顧客に質の高いレジャーを提供(東京ディズニーランド)。(時事通信フォト=写真)

たとえば、東京ディズニーリゾートで働くカストーディアルキャスト(園内外の清掃をする従業員)。「彼らは写真撮影や道案内だけでなく、時にはミッキーの絵を箒で描いて、客に驚きを提供するなど、さまざまな仕事を主体的かつ柔軟に自分の仕事として取り込んでいく。このように『取り込んでいく行動』がジョブ・クラフティング」と武蔵大学経済学部の森永雄太准教授は説明する。

組織がジョブ・クラフティングを導入するうえで重要になるのは、「『前の担当者がそうだった』といった私たちが無意識に持っている『自分の仕事の範囲や進め方に対する固定的な見方』を改めて捉え直すこと」(森永氏)だという。ただ、この概念を導入した結果、「好きな仕事しかしない」という従業員が現れる可能性もある。組織内に不協和音を生まない運用法を考えることが重要だ。