2015年9月3日(木)

地方の個性を伸ばす「列島改造」が日本を救う

塩田潮の「キーマンに聞く」【15:後編】下地幹郎(維新の党)

PRESIDENT Online スペシャル

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「さかしらに沖縄を語るなかれ」

【塩田潮】菅義偉官房長官とは、同じ1996年総選挙の初当選の同期生だそうですね。

【下地幹郎(衆議院議員・維新の党・元内閣特命相)】菅さんは政党と官僚を統率する力があります。安倍晋三首相に対する忠誠心が強い。加えて、戦略家です。

下地幹郎氏(衆議院議員・維新の党・元国民新党幹事長・元内閣特命相)

【塩田】菅官房長官は沖縄問題担当を兼務していますが、沖縄問題に取り組む姿勢は。

【下地】沖縄に対する愛情とか思いといったような、そんな浮ついた感じで物事を考えていないのでは……。私の政治の師は山中貞則先生(元通産相・初代の沖縄開発庁長官)ですが、山中先生は「さかしらに沖縄を語るなかれ。栄光も苦労も知らずして」と言い、「本当に沖縄に入り込むやつは沖縄にこい」と口にしていましたが、菅さんは今、そういうところに入ろうとしているのではないかと思います。

【塩田】一方の翁長雄志・沖縄県知事の政治家としての強みと弱みは。

【下地】私も長い間、お付き合いしていますが、沖縄における政治のサラブレッドのような面を持っていて、政治の王道を生きようとするところがあります。ですが、弱さが出る場合がある。輓馬ではないから、砂地では弱くなり、草の上だと、速いかもしれません。どっちの良さが引き出されるかです。

【塩田】山中貞則さんとの接点は。政治の師の山中さんからは何を学びましたか。

【下地】山中先生は「沖縄の神様」といわれた方でしたが、中曽根康弘内閣の通産相のとき、脳梗塞で倒れ、1月から3月まで沖縄にきてリハビリをやりました。船に乗ると、凪でも揺れるから、病院よりもリハビリにいい。それからカラオケで歌うと、呂律がよくなる。この二つを石垣でやりました。船に乗っているときは、釣り竿を持たせ、リハビリのためにリールを巻かせた。餌を付けることができないので、私は先生の横で8時間、立って餌を付けて投げる係を、22歳のときから政治家になるまで10年間、務めました。

一番びっくりしたのは、各省庁の局長が先生に会うために石垣までくるんです。先生のすごいところは決断力です。政策を決めていく意志の強さは、すごく勉強になりました。

【塩田】下地さんはなぜ政治家を目指したのですか。

【下地】私が生まれた場所は沖縄県の宮古島ですが、私は東京の永田町から一番遠いところで生まれた政治家なんです。離島で生まれ、厳しい環境を経験してきた政治家が東京で発信していく。東京生まれと宮古島で生まれた政治家の違いを明確にしていくことがこの国には必要だという思いがありました。

【塩田】政治家としてやり遂げたい目標は何ですか。

【下地】田中角栄元首相の列島改造論です。東京だけが日本ではない。地方の個性を伸ばす。政治や行政、法律が全部、東京の基準でつくられるのではなく、それぞれの場所に合わせた仕組みがつくられていくべきです。東京追随型ではなく、自分たちの地方が引っ張る日本は、東京や大阪が引っ張る日本よりも発展していく、と私はずっと思っています。

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