顧客や上司・部下を怒らせてしまった……。大事なのは、汚名返上に向けた初動の対応だ。「雨降って地固まる」ための行動セオリーとは。

「優れた経営者や社員は必ず“First come, first served”の原則を徹底しています」

三井物産に23年勤めた世田谷ビジネス塾長の古川裕倫氏が語る、この英文の意味は、早く来たものからもてなされる、というもの。つまり、食事会でもミーティングでも、自分に声がかかってきた順に日時を決めるというルールだ。来週の金曜夜は○○さんと会う。その先約が入っている限り、上司から「今日、一杯どうかね?」と言われても、美女からお誘いを受けても断るのだ。

しかし、人間は過ちを犯すもの。ダブルブッキングというヒューマンエラーが発生したとき、いかなる対応がスマートといえるだろう。

まず、どちらの予約を優先し、どちらを断ればいいのだろうか。

「当然、前出の英文の法則に従って、後で入れてしまった予約をキャンセルするのです。自分にとって重要な人物の予約を優先してはいけません」

で、どんな手段で何と言えばいいか。

「やってはいけないのは、メールによる謝罪です。『急用・急病がありまして』と見え見えの嘘をつく人もいるでしょうし、正直に『うっかりダブルブッキングしてしまいまして』と告白する人もいるでしょう。文書による謝罪は悪くなさそうですが、どちらもぐだぐだと長い言い訳の言葉が並んでいるはずです。読まされる側にとっては、たまったものではありません」

では、どうしろと?

「ダブルブッキングに気づいた直後に、電話で丁重に謝罪するしか道はありません。『私のチョンボです』。肉声でお詫びの気持ちを伝える。仮に、相手がそれで怒ったら、甘んじてその怒りを全身全霊で受け止める。怒りが爆発すれば相手も少しは気分がすっきりしますが、メールでは鬱々とした気分を引きずってしまいます」

ダブルブッキングに気づいたら即電話で謝罪する!

【×】お侘びメール
文書での謝罪は正しい対応に思えるが、言い訳めいた内容になりがちで相手を不快にしてしまうリスクあり。
【○】お詫び電話
「自分のチョンボ」を認め、謝罪の気持ちを声に出して言えば、メール文では伝わらない気持ちを表現できる。

※古川裕倫氏への取材に基づき作成