2015年8月24日(月)

なぜ出光興産は昭和シェル石油と経営統合するのか?

2016年「業界再編」を読む【1】

PRESIDENT Online スペシャル /PRESIDENT BOOKS

著者
鎌田 正文 
ビジネスリサーチ・ジャパン代表

1995年、ビジネスリサーチ・ジャパン設立。金融・流通・メーカーなどの各分野から経済全般まで、幅広く取材、執筆。『2012年版 図解 これから伸びる企業が面白いほどわかる本』など、業界研究の著作多数。

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ジャーナリスト 鎌田正文=文
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SS激減で再編待ったなしの石油業界

私は石油業界に身を置いた時期がある。イメージ刷新のために、販売店の呼称をガソリンスタンド(GS)からサービスステーション(SS)に改めようと、業界内で動きだしたころである。

当時、原油の精製から販売までを手がけることから「元売」と呼ばれた石油会社は、日本石油を筆頭に三菱石油、出光興産、共同石油、大協石油、丸善石油、昭和石油、シェル石油、エッソ石油、モービル石油、キグナス石油、ゼネラル石油など20社に迫るほど存在した。

『図解!業界地図2016年版』(ビジネスリサーチ・ジャパン著/プレジデント社刊)

しかし、1985年のシェル石油と昭和石油の合併などを皮切りに、その後は再編に次ぐ再編。現在はJXホールディングス(HD)、出光興産、コスモ石油、東燃ゼネラル石油、昭和シェル石油の5グループに集約した。

その間、いくつかの社名は消え去った。コスモ石油は大協石油と丸善石油との合併を経ており、1980年代以降、業界再編から距離を置いてきた大手は出光興産ただ1社である。その出光興産も、経営統合を視野に入れ昭和シェル石油に資本参加し、筆頭株主になる方向だ。

石油業界で再編が繰り広げられた最大の要因は、主要商品であるガソリンを中心とする需要の減少である。20世紀末には5万6000を超える販売店があったが、現在では約3万4000店舗とほぼ半減。「GS過疎地」「SS過疎地」といった言葉が使われるようになったほどであり、元売各社が合従連衡に動いたのは必然だし、今後も動かざるを得ない、というわけだ。

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