より商機のある海外市場を伸ばす

アシックスが好調だ。今年1~3月期と前年同期を比べると売上高は10%増、営業利益は約27%増。今年の通期の売り上げではスポーツ用品世界3位のプーマを追い抜くとの予想も強い。2020年東京オリンピック・パラリンピックのゴールドパートナー契約を結び、勢いに乗る同社の尾山基社長に話を聞いた。

──最近の好調の要因は何か。

欧州と米国の成長に牽引されて、いい決算となった。さらに中国では14年度の売り上げが前年の約2倍になるなど、東アジアやオセアニア等も大変いい。また、昨年は為替の影響が売り上げに230億円上乗せされている。

アシックス代表取締役社長CEO 尾山 基(おやま・もとい)
──前期の売上高は3540億円で、世界3位のプーマの前期売上高は約3800億円。世界3位が視野に入った。

前期は変則決算のため日本の1~3月の売り上げが入っていない。もし通常の決算ならプーマを抜いていた可能性がある。では今期はどうかというと米国のアンダーアーマーが急成長しており、プーマを抜いてもこちらに抜かれる可能性があり、悔しい思いだ。

──新たに別の競争相手が登場したと。

グローバルでユニクロがH&MやZARAと競争しているような世界に我々も入った。しかし世界1位のナイキの売上高は3兆円を超え、2位のアディダスも2兆円程度あり、まだまだ足りない。仮に世界3位になったとしても、安心も満足もしない。

──2月の決算発表で「海外比率をさらに高めたい」と語った。その狙いは。

アンダーアーマーが米国で急成長したのだから我々ももっといけるという叱咤激励と、より商機のある海外市場を伸ばそうという意味だ。