2015年7月21日(火)

今この瞬間、「1つの仕事」に集中できないのは誰のせいか

得する習慣、損する習慣【30】

PRESIDENT Online スペシャル

著者
古川 武士 ふるかわ・たけし
習慣化コンサルティング代表取締役

古川 武士

日立製作所を経て2006年独立。「習慣は第二の天性」をモットーに、社員研修・コンサルティング・個人向けセミナーなどをおこなっている。著書に『30日で人生を変える「続ける」習慣』『新しい自分に生まれ変わる「やめる」習慣』(いずれも日本実業出版)など。

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習慣化コンサルタント 古川武士=文
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なぜ、「使途不明時間」は減らないのか

前回は、仕事時間を高密度にするための技術の原則をお伝えしてきました。今回は、その具体的なスキルをご紹介します。私が時間の高密度化の個人コンサルティングをする時、その手順と哲学は一貫しています。

(1)まず、きちんと自分の低密度の原因を生んでいるパターンを知ることが大切です。
(2)そのために、重要なことが「時間簿」をつけることです。

時間簿とは、作業単位の記録を手帳などに取って、自分の時間の使い方の現状を知るツールです。そういうと、「面倒くさい」と敬遠されがちですが、これが一番の王道で手っ取り早いのであえて申し上げています。読者の皆さんも一度でいいから、試してみてください。

このコンサルティングの手順、お金の話に置き換えると理解しやすいです。

「お金が溜まらない、無駄づかいをやめたい」という相談を受けたらお金のコンサルタントは何をするか? 当然、家計簿をつけてもらうでしょう。

なぜなら、お金が溜まらないのは、食費が派手なのかもしれないし、高いブランドバックや洋服でお金がないのかもしれない。光熱費が異常にかかっているのかもしれないし、逆に支出ではなく収入が少なすぎるのかもしれません。必ず診断があってから解決策を提示する流れになるはずです。数打てば当たる方式で、節約マニュアル本を読んで対策しても効果は限定的になるに違いありません。

▼家計簿ならぬ「時間簿」をつけてみよう

時間に関しても全く同じことがいえます。

時間の使い方の無駄や非効率さは、休憩時間を取りすぎているのかもしれないし、無駄な作業をしているのかもしれない。1つの作業に時間をかけすぎているのかもしれないし、突発事項に振り回されて非効率になっているのかもしれない。

原因はさまざまです。だからこそ「時間簿」をつけることからスタートします。

経営学者として有名なピーター・ドラッカーは書籍『経営者の条件』のなかで、時間について次のように語っています。

「時間に関して重要なことは、記録することである。(中略)時間の使い方は、練習によって改善できる。しかし、時間の管理に絶えず努力しないかぎり、仕事に流されることになる。したがって、時間の記録の次にくる一歩は、時間の体系的な管理である。時間を浪費する非生産的な活動を見つけ、できるだけ排除していくことである」

つまり、時間の記録をリアルタイムで取る、そして改善する。これは普遍的な手法なのです。時間の記録を習慣にして改善し続けることが、高密度化を進めるカギとなります。

時間簿をつけて1週間もすると、時間活用の実態が見えてきます。1カ月もつけるとほぼ突発も含めて自分の仕事の現状が明らかになってきます。

時間簿を見て、次の5つの観点からチェックをしてみてください。非効率を招く5つの原因です。

・多くのタスクに同時に手をつけてどれも中途半端で終わっている
・残業時に最も重要で気が重たい仕事がいつも残っている
・先延ばしをして納期がいつもギリギリになってしまう
・上司や他部署、お客様からの突発的な依頼が入って振り回される
・休憩が多かったり、必ずしも必要のない仕事をしたりしている

それでは、時間高効率化のための対策を見ていきましょう。

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