マツコ・デラックス「体育会系は40代で行き場なくす」
マツコ・デラックスがテレビ番組内で「体育会系出身の社員のリスク」について語っていた。
体育会系出身の現在40代の男性は、運動量が落ちているのに、食欲は旺盛。一流企業勤務率も高いので収入が高い。その結果、ぜいたく品摂取率が高くなり、結果として、脳梗塞や心筋梗塞の危険性が一般より高い、といった医師の指摘が夕刊紙に掲載された。
この報道に対してマツコは健康面や肉体的な問題もあるが、本当のリスクはそうではないと指摘している。マツコ曰く「30代までなら体育会系は仕事は勢いでできる。でも40代になってくると、人間の本質が問われ始める」。その結果、「行き場を無くす」と。「電通とかにそういうやついっぱいいる」と断言するのだ。
このマツコ発言は本当なのか。検証してみよう。
まず、企業がなぜ体育会系出身者を採用したがるのか。
日本の新卒採用ではスキルや専門性ではなく“素材”を重視する。文系の学生は大学でどんな勉強をしてきたかは問われない。その点、あまり勉強してこなかった体育会学生には何のハンディも存在しない。その上で体育会学生の素材の魅力は2つある。
1つは肉体的かつ精神的タフさ、打たれ強さ、忍耐力などである。金融業の人事課長はこう説明する。
「ひと言で言えば、不条理な世界を経験していること。体育会では上級生の命令は絶対です。たとえ上級生の言い分が間違っていたとしても、逆らうことは許されない。その世界を生き抜いてきた学生は不条理だらけの会社人としての耐性を備えています」
上下関係をわきまえ、たとえ本心では嫌だと思う命令でも従う忍耐力を持っている。確かにこういう人材は会社にとって使いやすいだろう。
もうひとつの魅力は、勝ち抜く力、自分を高めようとする力である。流通業の人事部長はこう指摘する。「彼ら彼女らは勝ちパターンを知っています。もちろんいろんな失敗も経験していますが、その中から勝つためにはどうすればよいのかを工夫し、努力して勝利を掴んだ経験もある。そうした成功パターンはビジネスにも通じる」