問題行動を本人に自覚してもらうには

「人は自分の行動に不満を持たないかぎり変われない」と、ヒルは言う。上司が自分の行動の代償を理解する手助けをすることが大切だ。上司の立場に立ち、彼が本当に重視しているものは何かを理解する努力をしよう。

「そうすれば、彼が達成したいと思っていることがリスクにさらされているのだと教えることができる」と、ヒルは言う。

対立回避行動のマイナス面を明らかにできれば、上司は変わろうという気になるかもしれない。たとえば、チームが満足のいく成果を挙げられないという問題に正面から取り組まないことで、高い成果を挙げているメンバーから反発を買っていると説明してもよいだろう。メンバーの離脱というような直接的な証拠を挙げて説明しよう。

マッコーエンは上司が助言やフィードバックを与えてくれるのを待つのではなく、自分で道を切り開くことを勧める。「上司との契約書をつくろう」と、彼は言う。「自分はどのような結果を達成しようとしているか、どのような制約のなかで活動しているか、どのような説明責任を負うことになるかを書き記そう」。それから、上司にそれを検討してサインしてくれと頼もう。そうすれば、少なくとも、それをめざして前進できる具体的な目標を手にすることができると彼は言う。「私がインタビューしたすべてのマネジャーが、そのレベルの主導権なら歓迎すると言っている」。