落ち込みやすい人、落ち込みにくい人の差とは

AさんとBさんは、クレーム対応を受けるコールセンターで働いています。

Aさんは、クレームを受けるととてもショックを受けます。

「こんな商品売っているなんてどういうつもりだ。その対応はなんだ」

などと言われるとがっくり落ち込むのです。自分が否定されたような気がして平日はストレスでいっぱいです。

一方、Bさんは、同じクレームを受けても仕事が終わったらスッキリと気持ちを切り替えることができます。

この違いは何から生まれるのでしょうか?

モノの考え方、受け止め方が違うのは言うまでもないのですが、もう少し心理学的に解説をしたいと思います。

物事の「受け止め方」は変えられる

神経言語プログラミングの世界に、ニューロロジカルレベルという概念があります。これは、人が物事をどのように受け止めるか、その深さを知る上でとても分かりやすい概念です。大きく5つのレベルがあります。一番下から順に、環境、行動、能力、価値観、自己認識です。少し解説をしましょう。

【ニューロロジカルレベル】

レベル1. 環境:自分の周りの人やツール、道具、仕組みやルール
レベル2. 行動:戦略や行動の質・量
レベル3. 能力:自分のスキルの有無、スキルの高低
レベル4. 価値観:物事に対する意識レベルや考え方
レベル5. 自己認識:あなたの人間性や人格、生まれつきの特性
(レベルの数字が上がるごとに、自分自身の「根幹」にかかわる部分となり、インパクトも大になる)

実は、出来事や問題が起きた時にどのレベルで捉えているかで落ち込み度合いは変わります。

先ほどのAさんの話でいうと、「また怒られた。自分はオペレーターとして他の先輩と違ってうまく対応できない。ダメだなー」と考えています。「自分はダメだ」という自己認識レベル(レベル5)にまで突き刺さってくるのです。

一方、Bさんは、あくまで商品に対する不満をお客様は言っているのである、と自分と商品を切り離して考えています。そういう意味では環境レベル(レベル1)で捉えていると言ってもいいでしょう。悩みやすい人は、何でも、「自分は○○に向いていない」「自分はダメだ」「自分は自信がない」という自己認識にあらゆる出来事をつなげ、自分を責めます。

しかし、Aさんの例と同じようにあくまで商品の問題やクレーム処理の能力であれば、スキルを身につければいいのです。「私はクレーム対応能力を高める必要がある」と捉えるのと「私はオペレーターに向いていない」と捉えるのとでは随分と違います。