[理由2]現場も正社員

「2位の日本マニュファクチュアリングサービスの有価証券報告書を詳しく見ていくと、一般社員の平均年収は約460万円で、それ以外の現場社員は約240万円となっています。この現場社員は、通常なら非正規社員なのですが、扱いを正社員にしているために平均年収に計上され、全体として低くなっているのです。前出の類型では(1)、(2)、(4)が該当します」

同社にも取材を申し込んだが、「公表している以上のことを説明するつもりはありません」と断られた。後ろめたい事情がないのであれば、明快に説明してもらいたかったのだが……。

[理由3]地方本社

3位のプレステージ・インターナショナルからは、メールで次のように丁寧な回答があった。

「平均年収の算出においては、秋田(編集部注:BPOの拠点あり)の比重が高いこと、契約社員等も含んでいることからご指摘のとおり、上場会社の中で低い水準にあることは承知しております。(中略)われわれは『高い給料で人材を取っていく東京の会社』ではなく、地域に密着し、愛される会社でありたいと思い、ただし、労務環境においては地域ナンバーワンを目指すことを掲げております」

やはり、拠点が地方にあることと、雇用形態のあり方が理由であるとわかる。そのぶん労務環境には力を入れており、全体の約7割を占める女性社員のために託児所やカフェを設置。秋田の拠点においては、マッサージルームや、地方で生活するうえで必要不可欠な車の整備のサポートも行っているという。こうなると、社会保障や労務環境を充実させているぶん、むしろ良心的な企業といえるのかもしれない。