「大企業なら一生安泰」という時代は終わった。いまは薄給の小さなベンチャーが大化けする可能性も。これから入るならどんな企業がお得なのだろうか。

予測3●伸び幅大のベンチャー企業、
キーワードはイノベーション、事業モデル、経営者の質

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ベンチャーで伸び幅大の企業

この先最も収入が上がる期待を持てるのは、三菱東京UFJ銀行や東京海上ホールディングスといった誰もが知るエスタブリッシュメント(重厚長大企業)の社員ではない。ではどういう人たちかといえば、それはアントレプレナーである。

もちろんアントレプレナーはハイリスク・ハイリターンの世界で何の保証もない。しかし最近はネット産業やサービス産業でゼロから起業し、新興市場に上場していきなり時価総額1000億円を超えるベンチャー企業も増えてきた。一夜にして100億円の金融資産を築く人が出てきているのだ。何より、アントレプレナーには世の中を変えるビジネスを手掛けているという魅力もある。収入だけでなく、ベンチャーに入ったほうが将来起業家になるチャンスもある。

先進国のなかで日本の起業率は最低水準にある。しかし、今後アントレプレナーがどんどん成功を収めるようになると、その状況は変わるかもしれない。米国のように日本でも優秀な人材が大企業に就職せず、起業を志すようになれば、エスタブリッシュメントといわれる企業は優秀な人材を集められず長期的に衰退し、給与が激減する可能性すらある。

いまアントレプレナーとして成功しているのは、大企業をスピンアウトした人が多い。人材を輩出する大企業としてはリクルートやJAL、電通や博報堂などが代表格だろう。

レジャーや旅行、航空、広告といった業種は有望である。高級宿泊施設の予約サイトを運営する一休は13年3月、100人弱の社員全員に50万円の特別賞与を支払って話題になったが、新しい企業はこうした大胆なこともできる。

私が注目しているのはネット、バイオ、エコ、ニューエネルギー関連の新興企業である。年に3回、スガシタレポートというCDを出しているのだが、13年初夏号で、デフレ不況の中でも伸びる「底力企業」の一つとしてユーグレナを紹介した。

ユーグレナは人間が必要とする栄養素のほぼすべてを含むミドリムシの屋外大量培養に世界で初めて成功し、機能性食品や化粧品としての販売を行っているほか、バイオ燃料として利用するための研究開発を行っているベンチャー企業である。

同社は12年12月に上場し、13年6月までに株価は22倍にも上昇した。株価は企業の将来性を表すものであり、半年で22倍も上昇した企業は、現在の高給企業ランキングの中には皆無である。

国際金融コンサルタント 菅下清廣(すがした・きよひろ)
1969年立命館大学卒。大和証券、メリルリンチ、ラザードジャパンアセットマネジメント日本法人社長等を経て98年独立。マーケットを予測する「スガシタレポート」が好評。最新刊は『ゼロから富を作る技術』。