アンジェリーナ・ジョリーは「菜食主義のときは死にかけた」と発言し話題を呼んだ。(ロイター/AFLO=写真)

「健康な食事」以外が怖い──そんな摂食障害が増加している。

健康的と信じる食べ物以外を拒食する症状を「オルトレキシア」と呼ぶ。一般的な摂食障害との違いは、カロリーや食べる量ではなく、「動物性食品はダメ」「小麦粉製品はダメ」など自身の持つ健康へのこだわりにとらわれ、それらの制限を破ると罪悪感に苛まれるだけでなく、食事制限による栄養失調やそれに伴う過食に苦しんだりする。さらに、食事への制限の多さから他人との食事も難しくなるため、社会から孤立するのも大きな特徴だ。

1997年に米国医師のスティーブン・ブラットマン氏がこのような形の摂食障害があることを提唱して注目されたが、厄介なのは“良いものを食べている”という自負だ。

摂食障害専門カウンセラーのステップあや氏は、「『自分はありのままでよいのだ』という自己肯定感が希薄なために、“ちゃんとした食事”をコントロールすることが『自分は自己管理できる』という自身の支えになっている場合もある」と話す。なかには人付き合いができなくなり自信を失っている人も多く、考えを否定すると逆効果になることも。周囲に当てはまる人がいたら、「『健康な食事にとらわれる摂食障害もあるそうよ』とさりげなく知らせる程度でいい」(ステップ氏)

(ロイター/AFLO=写真)
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