安全志向で志願者減少へ
今春の東北大の志願者数は6392人で前年と比較して214人減。昨年志願者が増えて難化した影響から安全志向が強まった影響と見られ、一昨年並みの志願者数に落ち着いた。学部別の状況を見ると、文系は教育学部が11人増で157人となった以外、文学部427人(20人減)、法学部331人(40人減)、経済学部853人(52人減)と全学部で志願者が減少した。
理工系は理学部が205人減で1455人となったが、工学系は建築や化学・バイオ工の志願者が増えたこともあり、39人増の1691人。医療系は歯学部が64人と同学部としては大幅増の206人となる一方、医学部は32人減って712人。薬学部も18人減の211人。農学部は学部系統の人気が高いこともあり、1人減の349人と前年並みだった。
このように全般的に学部の倍率が下がる中、今春の東北大の高校別合格者ランキングのトップは、昨年より合格者が1人増で116人となった仙台第二。18年連続で東北大合格者数ランキングの1位を続けている同校の関係者はこう話す。
「東大に合格する力があっても東北大を目指す生徒が多くいます。東北大は広報活動を積極的に行うこともあり、研究力の高さにひかれて積極的に第一志望とする生徒が多くいます」
仙台第二の東北大合格実績を過去30年間に渡って振り返っても、1988年と1996年以外は全て1位だ。2位との合格者数を比較すると、2007年から常に20人以上の差がついており、2010年には66人の差がついた。今春の同校の難関大合格実績を見ると、北海道大14人、東大12人、京大9人、大阪大と九州大が各1人と、名古屋大以外の旧七帝大に合格実績があった。
2位の仙台第一は昨年の合格者数を20人上回り79人となった。宮城県内では仙台第二に次ぐ進学校で、今春は北海道大10人、東大4人、京大2人、名古屋大1人、大阪大2人という旧七帝大の合格実績を挙げた。宮城県内の学校では仙台第三が前年の合格者を17人上回り、昨年の10位から秋田と並ぶ5位へと大きく順位を上げた。