「進学指導特色校」が上位占める
今春の大阪大の志願者数は1万272人で前年を282人下回った。学部別の出願状況を見ると、文系学部は経済学部が38人増えて855人になった以外は、文学部607人(87人減)、外国語学部2476人(154人減)、法学部832人(136人減)と、全て減少した。理工系の志願者は、工学部が1742人で310人減となったが、その他の2学部は、理学部673人(79人増)、基礎工学部1018人(248人増)と志願者が増えた。医療系は医学部が68人減で932人となったが、医学科だけを見ると443人で32人増。薬学部は12人増で373人、歯学部は60人増で233人だった。文理融合型の人間科学部は36人増えて529人。
高校別合格者数ランキングを見ると、トップは2年連続の北野で昨年と同数の67人が合格した。大阪の府立のトップ校である同校は、京大合格者数が全国の公立校の中でトップとなる71人で、全体のランキングでも3位に入っている。他の旧七帝大の合格状況を見ると、東大8人、北海道大7人、東北大1人、名古屋大1人、九州大1人と全てに合格者がいた。北野は2011年に大阪府が指定した10校の「進学指導特色校」の一つであり、進学指導に特化した文理学科を設置している。今春は文理学科の最初の卒業生が出た年だった。同校関係者は言う。
「文理学科と普通科の生徒が切磋琢磨する環境ができたことで、京大など難関大に現役で合格する生徒が増えました。難関大に強い伝統の力も大きいです」
定員が1学年160人程度の文理学科の生徒に刺激されて学校全体の難関大の合格力が伸びたということのようだ。
大阪大は近畿圏の中心に立地し、交通の便がよいことから、兵庫や奈良、京都など近隣の府県から幅広く合格者がいる大学だが、今春の大阪の高校からの合格者は、昨年の842人(24.8%)から885人(26.3%)に増加している。これは「進学指導特色校」の指定が影響していると思われる。進学指導特色校に指定されている10校の内、北野、茨木、大手前、天王寺、三国丘、豊中、生野、四条畷、岸和田の9校がランキングに入っているのだ。合格者を増やした高校も多く、特に15位の岸和田は、14人増えて32人となり昨年の44位から大きく順位を上げた。