11月13日、警視庁公安部が京都大学の学生寮である熊野寮の家宅捜索を行った。公務執行妨害容疑で逮捕された中核派の京大生が熊野寮の寮生であったためだ。京都大学には築50年の熊野寮のほかにも吉田寮という寮があり、こちらはなんと築101年の木造建築だというから驚きだ。この2つの寮はどのような寮なのか。現役の熊野寮生はこう語る。

「熊野寮にいまだに中核派の学生が住んでいるというのは京大では有名です。ただしそれはあくまでも一部で、私も距離を置いているし、ほとんどの寮生はいわゆるノンポリ。熊野寮は今回のような家宅捜索を何度も受けていますが、やるのはいつもなら春先。機動隊の新人研修という噂もある(笑)。実際、私が見た機動隊はつるつる顔の若い人が多かった。ちなみに去年の家宅捜索では捜査令状で熊野寮の住所を間違えるという失態をやらかしてます。一方で吉田寮には中核派は住んでいません。むしろ中核派のような党派から攻撃を受けたこともあったようです」

外から見ると同じように見える学生寮だが、様々な違いがある。

「熊野寮は鉄筋コンクリート4階建てで、バラエティ番組に出たりとノリが軽い。吉田寮は木造2階建てで、ドキュメンタリー的な取材すら断ることが多いらしい。変わった人も多いが、真面目な人もたくさんいる」

寮費は、木造の吉田寮が少し安く、水光熱費込みで月2500円、熊野寮は4100円で、学生の懐に優しい。京大在学中に熊野寮、吉田寮のいずれにも在寮し、今は大手商社Mで出世街道をひた走る元寮生に話を聞いた。

「ネット上にはまるで廃墟のような写真ばかりアップされていますが、部屋は住人次第。建物の老朽化が心配な人は熊野寮を選ぶが、鶏の鳴き声で目が覚め、外気温と室温が変わらない吉田寮は“禅の境地”。あらゆる面で『大人』が介在する最近の寮よりも環境としては過酷ですが、真の国際化時代を生き残れる人材はそういうところから出てくるんじゃないですか。私も海外出向を経験しましたが、留学生とも仲良くしていた寮生時代の経験が生きましたからね。ビジネスって最後は人間同士の付き合いが勝負だと思います」