2014年10月7日(火)

検証「65歳定年制」シニアはコストか戦力か?

PRESIDENT 2014年8月4日号

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60~65歳までの働きで退職金が変わるヤマト運輸

「定年を延長することで発生する人件費を、コストとしては認識していない。シニア世代が長い経験で培ったサービスのレベルは高く、お金には代えられない価値がある」

ヤマト運輸の執行役員人事総務部長の大谷友樹氏が、2011年4月から65歳定年にした理由を語る。00年に60歳から61歳へ、その後、62歳、64歳と順次、引き上げ、65歳に至った。全社員約16万人(半数はパート社員)のうち、2000人ほどが対象となり、正社員の扱いとなる。職種では、特に宅急便のセールスドライバーが多い。

基本的には60歳の時点で従事していた仕事と同じ仕事に関わるが、体力が劣ることを考慮したり、短時間勤務が選択できるなど、一定の配慮はされている。セールスドライバーの場合は、配送するエリアを狭くしたり、1日の集配件数を減らしている。

1日8時間労働のフルタイムを前提とする場合は、年収は60歳の時点での約6割になる。フルタイムで働くのは、2000人の約9割に及ぶ。

昇給はないが、評価などにもとづき、賞与は年間で2回、支給される。人事評価で重きを置くのが、「人柄評価」だ。

上司や周囲の社員が、「挨拶ができているか」「チームに貢献しているか」などといった観点から評価する。特に後輩を育成する姿勢があるか否かが、ポイントになるという。

退職金の額は60歳の時点で確定するが、その後、5年間の評価により、上乗せの額が変わる。

大谷氏は「60歳以上の社員は高い品質のサービスをするノウハウを確実に身につけている。それを後の世代に伝承してもらいたい。レベルの高い、無形のサービスこそ、当社の理念と重なる」と期待を寄せる。

新卒や中途の採用人数を減らすことはしないという。

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