■編集部より指令

炎天下、子ども2人と大荷物を乗せて15分間自転車を漕ぎ、汗だくで保育園に送り届けたあと、満員電車に揺られる日々。

会社に到着した時点で全エネルギーの半分くらいは使い果たしている。仕事が終わって帰宅後も家事とお風呂と寝かしつけ……。

子育てしながらの共働きで毎日ヘトヘトですが、トクすることってあるんでしょうか。

■佐藤留美さんの回答

「ワーママ」は毎日が綱渡りでも幸福度が高い理由
http://president.jp/articles/-/13337

■大宮冬洋さんの回答

共働きで得をするのは主に夫

今回のお題文章、出題者の個人的な経験がにじんでいるようでいいですね~。不快で苦しい満員電車に加えて、暑くても寒くても子ども2人を自転車で送り、帰宅後の家事とお風呂と寝かしつけ。信じられない労働量です。これで子どもが熱でも出したらどうするのでしょうか。

母は強し。ワーキングマザーは2つの正業を持っているようなものだな、とつくづく感じました。体調を崩さないように気を付けてくださいね……。

ええっと、何の話でしたっけ。共働きで得すること、でしたね。あまり大きな声で言いたくはありませんが、共働きで得をするのは主に夫です。

子育てを含めた家事のほとんどをやっている妻がお金も稼いでくれる――。こんなにありがたい状況があるでしょうか。「僕は家事の半分をやっているよ」と主張するイクメン野郎がいるかもしれませんが、子育て以外の家事を一手に引き受けた上で週末は子守りをして初めて「半分」に達すると思います。

僕たち昭和生まれの場合、女性並みに家事をする男性はまれです。夫の家事は、ゴミをまとめて捨てるとか洗濯物を干してたたむとか食器を洗って片づけるといった補助作業に留まります。かなりこまめに「作業」をしても全家事労働の2割弱しか担っていない、という認識が正確でしょう。

責任感を持って家事に向かっている「管理職」はあくまで妻なのです。しかもこの管理職は現場の作業もバリバリこなし、家事部下である夫が少し手伝うと感謝の言葉をかけてくれたりする。まさにプレイングマネージャーですよね。

このプレイングマネージャーが外でも働いて家計も助けてくれるというのです。働き者、としか言いようがありませんね。

世の中にはいろんな女性がいます。僕の推計では、「働き者」の称号にふさわしい意欲と実力を備えた人は全人口の3割ぐらいです。「オレの稼ぎだけで家族を養う」という気概と実績のない男性は、この3割の女性と結婚しなくては幸せになれません。