男性こそ、可愛げが必要

では、どうすればいいのでしょうか。作家の田辺聖子氏は、「可愛げというのは、女よりも男に必要な徳目である」とし、「何となく憎たらしい男、頑固、陰険、わからず屋、威張りたがり屋、女性蔑視」などを対極だとしています。逆に、「どこか憎めない男、柔軟、明朗、素直で謙虚、女性とも対等に付き合う」と、可愛げがある男性だと見なされるようです。引用します。

<男が「えらぶのはオレだ」なんて思い上がっているから、カスをつかむのだ。ヤル気もなくワガママで無能で薄情な女を、猫をかぶっているとも知らず、えらんでしまうのだ。

男は思い上がりを捨て、「イイ女にえらばれよう」という謙虚な気持ちをもつべきである。

男の子の親たるもの、リッパな、よくできた女の子に、かわいがられるような男の子に育てるべきである。東大を出たって、かわいげのない男の子には、「ヤル気」のある女は寄ってこないのだ。男のかわいげが、男の持参金といってもいいのだ。>(田辺聖子『おせい&カモカの昭和愛惜』)

もう一度言います。夫婦共働きによって精神面も経済面も楽になり、仕事にも心置きなく集中と挑戦ができて得をするのは夫のほうなのです。「私は損するばかり。そんな結婚生活は嫌だ」なんていう女性はカスだとまでは言いませんが、面白くて夢のある結婚はできない気がします。夫を引き立てて輝かせることを自らの喜びとできる働き者の女性だけがこのコラムを読んでいるはずなので大丈夫ですよね。

ヘトヘトになりながらもついつい働いてしまう立派な女性、やる気があって利他的で有能で情に厚い女性。そんな人を選び、自らも選ばれ続けるために、僕たち男性には柔軟・明朗・謙虚の3要素が欠かせないのです。

大宮冬洋
1976年埼玉県生まれ。一橋大学法学部卒業後、ファーストリテイリング(ユニクロ)に就職。退職後、編集プロダクションを経て、2002年よりフリーライターに。ビジネス誌や料理誌などで幅広く活躍。著書に『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました。』(ぱる出版)、共著に『30代未婚男』(生活人新書)などがある。
実験くんの食生活ブログ http://syokulife.exblog.jp/