下半期の足を引っ張るのはアメリカかエルニーニョか

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トップエコノミスト3人の日経平均株価予測

【高橋】先読みの難しさという点でいえば、今現在好調なアメリカ経済も「諸刃の剣」ではありますよね。

【武内】今は安定していますが、アメリカの長期金利が跳ね上がった場合、非常に怖いです。金融市場の混乱が不動産市場に影響し、さらに個人消費にも影響を及ぼす可能性があります。アメリカの株価が下がれば、当然日本の株価も引っ張られます。

【永濱】量的緩和幕引きの舵取りを誤ると、それこそ金融危機の引き金にもなりかねませんからね。不必要なショックを与えない工夫が必要でしょう。あと、これは本当に読めないことですが、今年起こる確率が高いと言われている「エルニーニョ現象」の影響も無視できません。夏にくれば冷夏、冬にくれば暖冬。冷夏は免れましたが、暖冬がくればGDPが押し下げられるのは必至。年初にアメリカを襲った記録的な寒波ほどの破壊力はないかもしれませんが、冬場の足を引っ張る悪材料のひとつでしょう。

【高橋】海外投資家の視点を気にするなら、政権支持率も要注目ですね。支持率と株価は連動しますから。もっとも、安倍政権は比較的長く50%以上をキープしているので、なんらかの大きな問題でも起きないかぎり、下半期に急落することはないでしょう。

【武内】このような悪材料が重なったとすると、最悪では1万3000円前後というのが私の予想です。

【高橋】私も、最悪で1万3000円台までと予想しています。

【永濱】なるほど、私の最悪予想はお2人より1000円高い1万4000円前後。場合によっては1万3000円台後半もある、という読みです。みなさんより少し楽観的なのかな。

(早坂佳美=撮影)
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