2014年7月11日(金)

日立と三菱重工は、経営統合すべきだ

大前研一の日本のカラクリ

PRESIDENT 2014年7月14日号

ビジネス・ブレークスルー大学学長 大前研一/小川 剛=構成 AFLO=写真
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日立は、まだ本当の復活かわからない

日立製作所が発表した2014年3月期の連結決算では、売上高は前年度比6.4%増の9兆6162億円、営業利益が同26.3%増の5328億円、最終利益が同51.1%増の2649億円。営業利益は実に23年ぶりに最高益を更新した。

日立といえばリーマン・ショック後の09年3月期の連結決算で7873億円という国内の製造業では過去最大の赤字を計上し、資本増強のために公的資金の活用を検討するほど追い込まれていた。

2014年4月1日付で日立の社長兼COOに就任した東原敏昭氏。(AFLO=写真)

業績悪化の責任を取って辞任した前経営陣から後事を託されたのが川村隆氏(当時会長兼社長)だ。川村体制で不採算事業の売却やグループの再編を進めると、10年度には業績が急速に回復、営業利益は前年度比2倍以上に伸びて、最終利益も2388億円と過去最高益を記録した。その後も順調に営業利益を伸ばして、14年3月期に最高益を更新するに至ったのだ。

川村会長は14年3月31日付で退任し、4月から東原敏昭社長兼COOと中西宏明会長兼CEOの新体制に移行して、今後はグローバル経営に力を注いでいくという。このようにV字回復を果たした日立だが、本当の復活と呼べるかどうかはまだわからない。近年の日立の業績推移をよく見ると、利益は回復しているのに、売り上げが伸びていないことに気づく。これが何を意味しているのかといえば、日立が新しい成長産業を見出して、大きな利益を挙げているわけではないということだ。既存事業の取捨選択だけでは巨大企業の将来戦略としては不十分だ。

赤字事業をどんどんリストラする一方で、グループに儲かっている会社があれば本体に取り込むという形で、数字の見栄えをよくしてきただけに過ぎない。

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