2014年6月5日(木)

GE流「野心的女性」の育て方

PRESIDENT 2014年5月5日号

著者
溝上 憲文 みぞうえ・のりふみ
ジャーナリスト

溝上 憲文1958年鹿児島県生まれ。ジャーナリスト。明治大学政治経済学部政治学科卒。月刊誌、週刊誌記者などを経て、独立。新聞、雑誌などで経営、人事、雇用、賃金、年金問題を中心テーマとして活躍。『非情の常時リストラ』(文春新書)で2013年度日本労働ペンクラブ賞受賞。主な著書に『隣りの成果主義』『超・学歴社会』『「いらない社員」はこう決まる』『「日本一の村」を超優良会社に変えた男』『マタニティハラスメント』『辞めたくても、辞められない!』『2016年 残業代がゼロになる』など。近著に『人事部はここを見ている!』(プレジデント社刊)がある。

執筆記事一覧

ジャーナリスト 溝上憲文=文
1
nextpage

J・ウェルチの教え「自分の道を切り開き自分で責任を持つ」

女性管理職・役員の積極的登用を促す安倍政権。対応策として一気に二段跳び、三段跳びで昇進させる企業も少なくない。しかしそんな上からの“促成栽培”的な手法で増やしても職場の摩擦を生み、とうていうまくいくとは思えない。

大事なことは女性自ら好きな仕事を選び、キャリアを切り開いていけるような環境を整備することだ。実際に主体的にキャリアを切り開き、転職を重ねて大きく羽ばたいている女性もいる。その中からGE(ゼネラル・エレクトリック)に一時期籍をおき、今も第一線で活躍する3人の女性を紹介しよう。

一人は四方ゆかり氏。世界4位の売上高を誇る英製薬企業グラクソ・スミスクライン(GSK)日本法人の取締役人財本部長だ。今は約4000人の社員を束ねる人事の総責任者であるが、最初のキャリアは躓きからスタートした。東京外国語大学を卒業後の1987年、海外での仕事がしたくて総合商社に入社。ところが配属先の人事部は女性をメーンの戦力と考えていないことを思い知る。

「上司に『どうして女性を海外出張させないんですか』と聞くと『親御さんから預かった大事な娘さんに何かあったらどうするの』です。本気で女性をプロに育てる気がないことがわかり、最初の私の就職は大失敗でした」

6カ月後に退職し、当時は中途採用しかしていないGEジャパンに運よく入社、再スタートを切った。人事の仕事に芽生えたのは複数の先輩から向いているとアドバイスされたからだ。

「人事がどんな仕事かわからないときに、先輩の藤森義明さん(現LIXIL社長兼CEO)やGE医療機器部門のアジアの責任者など3人から向いていると言われたのです。なぜかと今考えると、人の考え方や行動を観察する目のつけどころが他の人より光っていたこと、組織内を縦横無尽に動き回るので部門を超えたネットワークが自然にできること、それにトップに対しても物怖じしない性格だったからでしょうか。どんなに地位が高い人でも、別に偉いわけじゃない、同じ人間でしょという価値観が私のベースにありましたから」

PickUp