古川武士さんは、これまでに約200人の経営者や2万人以上のビジネスマンへ「習慣化」に関するコンサルティングやアドバイスをしてきた実績を持つ。ありがちな根性論ではなく、科学的な手法によって、無理なく継続することができるメソッドには定評がある。
長続きしないのは「習慣引力の法則」のせい
英語の学習、家計簿、早寝早起き、片づけ、禁煙、ダイエット、運動、資格の勉強、貯金・節約、日記、読書……「今度こそは!」と決意した情熱とは裏腹に何度も挫折を繰り返します。なぜ、私たちは1つのことを続けられないのでしょうか?
結論から言ってしまえば、それは「新しい変化に抵抗し、いつもどおりを維持しよう」とする本能が人間にあるからです。人間にとって変化は脅威で、いつもどおりが安全で安心なのです。
たとえば、体温を例に挙げてみましょう。私の平熱は36.5度ですが、人間の体はいつもどおりの平熱を維持しようとします。仮に風邪を引けば、体温は38度まで上昇しますが、体は汗で体を冷やして平熱に戻そうとします。これも変化に抵抗し、いつもどおりを維持しているのです。
続けたいことも同じです。私はこの「いつもどおりを維持し、変化に抵抗しようとする力」を習慣引力と呼んでいます。習慣化とは「自分が続けたいと思っていることを、意志や根性に頼らず、毎日のハミガキのように楽々続く状態に導くこと」です。つまり、続けたいことがいつもどおりになってしまえば、今度はいい意味で続いている状態を維持してくれます。これも習慣引力の法則です。ダイエットでリバウンドするのは、習慣化の手前だからです。
習慣化された状態に持っていければ、あとはダイエットも片づけも全てリバウンドしにくくなります。
それでは、どれぐらい続ければ習慣化するのでしょうか?