2014年4月24日(木)

USJ、“カワイイ音痴”のマーケターの仕事術

なぜUSJはつぶれなかったのか?【5】

PRESIDENT Online スペシャル

著者
大高 志帆 おおたか・しほ
ライター

大高 志帆ライター歴7年。同志社大学経済学部卒業の独身アラサー女子。ビジネス誌と女性誌の二足のわらじを不器用に履き分ける。好きなモノはピンクとリボンとサンリオキャラ。最近ハマっているのはスマホゲーム「Candy Crush」。悩みはfacebookにあまり「いいね!」がつかないこと。

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大高志帆=文
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“カワイイ”がわからない。欠陥から生まれたトライ習慣

森岡 毅(もりおか・つよし)
1972年生まれ。神戸大学経営学部卒。96年、P&G入社。日本ヴィダルサスーン、北米パンテーンのブランドマネージャー、ウエラジャパン副代表などを経て、2010年ユー・エス・ジェイ入社。12年より同社、チーフ・マーケティング・オフィサー、執行役員、本部長。著書に『USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?』(角川書店)。

CMO森岡毅のUSJでの4年間は、“やってみないとわからない”テーマパーク業界でアイデアを当て続けた、奇跡のような道のりにも思える。

しかし、自らを「数字のロボット」と呼ぶ森岡には、マーケターとしてある致命的な欠陥があるのだという。それは、“カワイイ”という感覚が理解できないことだ。

「僕は頭の中がメカニカルでロジカルに動く人間で、“感性”や“共感”というものが抜け落ちているんです(苦笑)。前職のP&G時代は消費者マーケティングについて学び、そのことに気付かされました。シャンプーなどのヘアケア製品を担当していたので、『どのパッケージデザインがかわいいか』などという話がよく出るのですが、自分がわからないなりに良いと思って選んだものが、必ず消費者チョイスとズレてしまう。20代はこの苦しみとともに働いていたようなものです」(森岡)

ちなみにP&G時代に森岡は上司からしばしばこう言われていたそうだ。

「お前、石油売れ。石油とか、小豆の先物とか、金融商品とか、そういうのを売るのが合ってるよ」

だが、転んでもただでは起きないのが森岡だ。

“共感”できないならばせめて他人よりも"理解"しようと始めたのが、何でも自分で試してみるという習慣だった。P&G時代は、髪を金髪のスパイキーにしたり、真っ赤なソフトモヒカンにしたりして、消費者“理解”に努めた。

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