「クラウド」(クラウド・コンピューティング)とは、ネットワークを使ってコンピュータ処理を行うサービスのこと。米国ではGoogleやYahoo!、アマゾン、IBMなど錚々たる企業群がサービスを開始、日本では日立製作所や富士通、NTTコムウェアなどの大手企業も次々に参入している。

クラウドにはさまざまなサービスが含まれる。
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クラウドにはさまざまなサービスが含まれる。

クラウドという用語は以前からあった。IT関係者はネットを説明する際、雲(クラウド)の絵を描く。雲の中にさまざまなサービスがあり、それをインターネットを通じて利用する場合に使われた。クラウドは多くのウェブサービスを包含する語なのである。

そんな曖昧な単語が注目されたのは、アマゾンのクラウド・サービス「Amazon EC2」(2006年にベータ版運用開始)の登場がきっかけ。最大のメリットはコスト削減だ。EC2の場合、利用者は、アマゾンのデータセンター内で仮想のサーバ、ストレージ容量を使用できる。自社サーバを持つ場合、拡張には相当のコストがかかるが、EC2は従量課金制であるため使用した分支払えば済むし、管理者も減らせる。サーバがダウンする心配も少ない。

だが、万能でないのも事実だ。今年6月、EC2は落雷で一部運用停止になるという事態に陥った。多くのクラウドがこうした不測の事態に対して返金程度の保証しかしておらず、企業の基幹システムとして使うには心許ない。将来的にはクラウド提供元がサービスを停止することもありうる。サービス提供業者が勝ち残るためには、最終的には「信頼」の差がものを言いそうだ。