2014年1月6日(月)

「A4・1枚、30秒、一言」で伝える

NOと言わせない実践文書教室[3]

PRESIDENT 2012年3月19日号

著者
嶋 浩一郎 しま・こういちろう
博報堂ケトル代表取締役社長・共同CEO

嶋 浩一郎1968年生まれ。上智大学卒業後、博報堂入社。企業のPR・情報戦略に携わった後「広告」編集長を務め、2004年に「本屋大賞」を立ち上げる。06年博報堂ケトルを設立。著書は『企画力』『嶋浩一郎のアイデアのつくり方』など。雑誌「ケトル」の編集長も務める。

博報堂ケトル代表・共同CEO 嶋 浩一郎 構成=飯島裕子 撮影=向井 渉、宇佐見利明
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「内容はいいのになぜか相手に伝わらない、企画が通らない」。ちょっと待って! その思い込みを捨てることから始めよう。「いいものと通るものは違う」と断言し、通すコツを教えるのは「本屋大賞」の仕掛け人・博報堂ケトル代表の嶋 浩一郎氏だ。

メールや企画書は短いほうがいい。長くなる人は、要点を理解できていないのかもしれない。

伝えたいことをコンパクトにまとめるには、その前に頭を整理するトレーニングをしよう。僕たちクリエーターがよくやるのは「デコンストラクション」という手法だ。他人のつくったCMやキャンペーンを見て、「これは何のためにつくられているか」を想像する。たとえば若い女性が炭酸飲料を飲んでいるカットが使われたCMなら、「部活後の女子高生がターゲット。炭酸のシュワシュワ感を伝え、同時に時代の閉塞感を吹き飛ばすというメッセージも込めている」とそこから溢れるイメージを言葉にしてみる。

このトレーニングを繰り返せば、物事の本質を捉えそれを簡潔に表現できるようになっていく。すると自分で文章を書く際にも必要なポイント、余計な部分が見えてくる。短くても過不足のない文章を書くには、次の5点を押さえたい。

(1)目的(相手が抱える課題+解決するためのアイデア)
(2)実現できたときの状態
(3)相手側のメリット
(4)具体的な実現方法
(5)一言でまとめ(5W1H)

実際、提案書や企画書をA4・1枚に収めるのは難しいかもしれないが、最後は一言でまとめよう。

あなたが企画部門にいるのでなければ、企画書をつくる機会はそう多くないかもしれない。しかし、「企画」をするチャンスはいくらでも転がっている。たとえば飲み会の幹事になったら、飲み会を企画化しよう。目的は何か・どうなったら成功か(Why)、実現方法(How)などを考える。これが習慣になれば、要所を押さえた企画書、メールが書けるようになる。

●今日からできるトレーニング法

1.他人の企画を一言で説明
2.なにごとも「企画化」
3.必ず最後に「まとめ」を

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