解説

模範解答はA。ポスターをもとに、このキャンペーンが成功したときのイメージを具体的に描けている。

CMや企画、キャンペーンには必ず5W1Hが設定されているもの。なぜ(Why)、どんなターゲット(Who)に、いつ(When)、どこで(Where)、何を(What)、どんなふうに(How)、訴えたいのか。このとき、性別や年齢といった定量データだけでなく定性的な部分も想像する癖をつけよう。

ロジカルシンキングに慣れたビジネスマンはBを選びがち。お小遣いの額や居住地まで書かれてこれも悪くはなさそうだ。しかし、これだけでは具体的なイメージがわかない。どんな考え方をする人なのか、何が好きなのかということは「40代男性」という定量情報からはわからない。Cだと漠然としすぎ。Aのように情景が目に浮かぶところまで言語化する訓練を重ねると、企画や文章の核を一言で表せるようになる。

博報堂ケトル代表・共同CEO 嶋 浩一郎
1968年生まれ。上智大学卒業後、博報堂入社。企業のPR・情報戦略に携わった後「広告」編集長を務め、2004年に「本屋大賞」を立ち上げる。06年博報堂ケトルを設立。著書は『企画力』『嶋浩一郎のアイデアのつくり方』など。雑誌「ケトル」の編集長も務める。
(構成=飯島裕子 撮影=向井 渉、宇佐見利明)
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