東京大学に合格するには、どうすればいいのか。東大卒でサイエンスライターの竹内薫さんは「私自身は、塾通いが効率的とは思えず、塾には通わなかった。もし私がいま中学生なら、迷わず海外の高校に進学し、『外国学校卒業学生特別選考』で受験する。受験勉強は戦略的に考えたほうがいい」という――。(第3回)

※本稿は、竹内薫『東大卒エリートの広く深い学び方』(かんき出版)の一部を再編集したものです。

東京大学駒場Iキャンパス正門
東京大学駒場Iキャンパス正門(画像=Kakidai/CC-BY-SA-4.0/Wikimedia Commons

高3から受験を始めて東大に受かった勉強法

まず、私の大学受験について触れておきましょう。筑波大学附属高校で馬術の練習に明け暮れていましたが、高校2年生の3学期の終わりに退部し、完全に切り替えて入試対策に取り組むことにしました。

まずは自分の学力がどの程度なのかを知るためにと模擬試験を受けたところ、結果はまったくダメ。「これはほんとにまずいな……」という強烈な危機感で焦り、そこから本腰を入れて受験勉強を始めました。

英語は私の得意科目だったので大丈夫。問題なのは、国語と数学です。とはいえ、もともと科学少年だったので数学は実は結構好きな科目だったことと、いい参考書に巡り合えたことで、受験勉強を始めて割とすぐに成績が上がりました。

私が使っていた参考書は、渡辺次男さんという当時の伝説的な塾の講師が書いた『なべつぐのひける数学I・ⅡB・Ⅲ』でした。辞書のように「ひける」構成のため、ランダムに項目を引いて見開き単位で問題を解くことができたので、楽しく効率的に勉強できたことを覚えています。

あとは国語ですが、当時、どんな参考書を使っていたのか記憶にありません。それでも、現代文の解釈や古典を中心に勉強していたことは覚えています。

当時の担任だった黒澤弘光先生は、筑波大学で修士号を取得した学者肌の国語教師だったのですが、参考書を何冊も執筆していたので、それらの参考書を使って勉強していた時期もありました。学校での授業は深掘りばかりでしたので、ちょっと不思議に思いますが……。

勉強のリズムをつくって継続する

このように独学ですが、参考書や先生の助けもあって成績が上がっていきました。その一方で、大事なことに気づきました。受験に打ち勝つには、勉強のリズムをしっかりつくるのがもっとも大切だということです。

私の場合、夏休みに朝の時間を使って勉強する習慣を身につけました。毎朝5時に起きて自分で朝食をつくり、5時半から勉強を始めます。お昼までには一通りの勉強を終えるようにして、午後は気分転換に運動したり、息抜きしたりして一定のリズムをつくり、それを習慣にしたのです。

習慣化した勉強のリズムをひたすら続けることで、受験という競争に打ち勝ち大きな壁を乗り越えて無事に東大に合格できたのです。「それだけ?」と思われるかもしれませんが、本当にそれだけです。勉強のリズムをつくって継続することこそ、受験にもっとも必要なことだと思います。