結局、導入可能なのは原子力

しかし、ここで列挙された技術のうちで、技術的にすでに確立して経済的に導入可能と見込まれるものは原子力と一部の電化にとどまります。

愛媛県のいわた原子力発電所
写真=iStock.com/paprikaworks
結局、導入可能なのは原子力(※写真はイメージです)

他の技術はいずれも、未熟な技術であって研究開発段階に過ぎないものや、あるいは再生可能エネルギーのように高価なものばかりです。これらの未熟ないし、高価な技術が大量導入されるとなると、その経済的な悪影響は甚大になります。

これに関して、日本には「悪しき前例」があります。

前の記事で述べたことですが、いま政府は、太陽光発電等を大量導入するために、再生可能エネルギー賦課金として年間2.4兆円を毎年徴収しています。

「再生可能エネルギー」では日本経済が破綻する

しかし、これによるCO2削減の効果は2.5%に過ぎません。1%のCO2を削減するのに1兆円もかけているのです。

もう同じてつを踏んではいけません。この調子で100%のCO2削減など目指せば、大変な“災厄”になります。

より現実的な日本の戦略としては、①原子力を最大限活用すること、②経済的な範囲で電化を進めることを優先すべきです。そして、長期的には、③技術開発を進め、経済性を有するようになった技術を導入していくべきでしょう。