原子力を国策として推進すべき

長期的には、原子力発電の増大に伴って、これら火力発電の設備利用率は低下し、CO2排出量も減少します。そのためにも、政府は原子力を「国策」として明確に推進する必要があるのです。

ベルギーのティアンジュ原子力発電所
写真=iStock.com/jotily
原子力を国策として推進すべき(※写真はイメージです)

その際には、政府のファイナンスも活用して、予見可能性のある形で原子力事業が実施できるようにすべきです。

まずは既存原子炉の再稼働を進め、ついで運転期間の60年、80年への延伸、新増設を進めます。

また、外部動力がなくても安全に停止するパッシブ安全技術等を用いた革新型原子炉を導入します。

「小型モジュール炉・核融合」の技術開発が必要

重要な技術開発としては、小型モジュール炉(SMR:Small Modular Reactors/従来よりも小型で安全性が高く、簡易な建設も可能な次世代原子炉)、および核融合炉(核分裂反応のエネルギーを利用する従来の原子炉に対して、核融合反応で生じるエネルギーを発電などに利用する装置)があります。

原子力を活用し、経済的な電化を進めることで、現状の技術においてもCO2をほぼ半減することが可能でしょう。

長期的には、運輸部門や産業部門における脱炭素化は、技術開発を伴うさらなる電化の推進、および原子力による水素供給によって挑戦します。