モグロース博士の回答ものごとを深堀りして、ハッキリさせることがスキ。
聴覚が発達し、耳より情報や世間の声をつかむことが得意。
転職エージェントは、転職エージェントが「今、一番サポートを必要としている人」と判断した人に集中的に時間を割くんだ!だから、連絡が来なくても「見捨てられた」と落ち込む必要はないよ。
転職エージェントに登録したときは、担当者がとても親切で「この人に任せれば大丈夫」と思ったのに、気づけば連絡が途絶えていた——そんな経験をした人は少なくない。
「もしかして自分、見捨てられた?」「何か悪いことをした?」と不安になる気持ちはよく分かる。しかし、その不安の正体は、転職エージェントのビジネスモデルと優先順位の仕組みを知らないことにある。
本記事では、PRESIDENT Growth調査チームが2026年2月に実施した30人へのアンケート結果をもとに、「転職エージェントが最初だけ親切になる理由」「見捨てられる人と見捨てられない人の違い」「連絡が来なくなった時の対処法」を徹底解説する。
| 調査主体 | PRESIDENT Grow調査チーム |
|---|---|
| 調査時期 | 2026年2月 |
| 調査対象 | 20代~30代で転職経験のある男女 |
| 有効回答数 | 30人 |
| 調査方法 | クラウドワークスにおけるアンケート調査 |
目次
「転職エージェントは最初だけ親切」と感じた人は6割以上
PRESIDENT Growth調査チームが2026年1月に実施したアンケート(n=30)では、30人中18人(6割)の人が「転職エージェントの対応が最初だけ親切だった」と回答した。
一方で、「対応は最後まで変わらなかった」という人も10人(3割)存在した。
| 回答 | 人数 | 割合 |
|---|---|---|
| はい(最初だけだった) | 18人 | 60.0% |
| いいえ(最後まで変わらなかった) | 10人 | 33.3% |
| わからない | 2人 | 6.7% |
では、転職エージェントの対応が変わるのは、具体的にどのタイミングなのか。
最も多いのは「求人を数件紹介されたあと」(9人)で、次いで「面接に落ちたあと」(5人)だった。この2つのタイミングで対応が変わった人は、合計14人(約8割)にのぼる。
| タイミング | 人数 | 割合 |
|---|---|---|
| 求人を数件紹介されたあと | 9人 | 50.0% |
| 書類(履歴書・職務経歴書)を提出したあと | 3人 | 16.7% |
| 面接で落ちたあと | 5人 | 27.8% |
| 内定を辞退したあと | 1人 | 5.6% |
回答者は、このように語っている。
30代転職エージェント3社以上利用
対応が変わったタイミング:面接に落ちたあと
選考に一度落ちた途端に、あきらかに連絡が途絶えて、不採用のフィードバックすら適当な感じで、それまでは熱心な印象だっただけに悲しかったです。
30代転職エージェント2社利用
対応が変わったタイミング:書類(履歴書・職務経歴書)を提出したあと
初回面談までは頻繁に連絡があり親身な印象でしたが、書類提出後に紹介される求人が減り、質問への返信も遅くなりました。こちらの希望条件が合わなかった可能性は理解していますが、その説明がなかったため、不安や不信感が残りました。
なぜ転職エージェントは「最初だけ」親切なのか?
なぜ転職エージェントは「最初だけ」親切になってしまうのか。背景として、転職エージェントが持つビジネスモデルが成果報酬型であることや、1人の転職エージェントが抱える担当人数の多さといった側面が挙げられる。
背景①:転職エージェントのビジネスモデルは成果報酬型
転職エージェントのビジネスモデルを一言でいうと、「転職が決まって初めて報酬が発生する」成果報酬型である。
求職者が転職エージェント経由で転職すると、採用企業から転職エージェントに紹介手数料(一般的に年収の3割程度)が支払われる。つまり、転職が決まらなければ、転職エージェントの収益は1円も発生しない。
そのため、一度に数十人をサポートする中で「転職をすぐに決めそうな人を優先する」という事象が起こる。
アンケートで「対応が最初だけだった」と回答した18人のデータを分析すると、いくつかの共通点が見えてきた。
- 転職時期:「良い求人があれば考えたい」という温度感の人が多い
- 返信頻度:「2~3日以内」「返信が遅れることが多かった」人が含まれる
- 希望条件:「ある程度決まっていたが、相談しながら決めたい状態」が多数
特に「良い求人があれば考えたい」という温度感は、転職エージェントから見ると「今すぐ決める人ではない」と判断される要因になりやすい。特に注目すべきは転職時期だ。転職エージェントは短期間で成果を出す必要があるため、転職時期が明確でない人は、どうしても優先順位が下がってしまうのだ。
背景②:1人の担当者が抱える求職者は30~50人
転職エージェントの担当者は業界の一般的な数字として、1人で30〜50人の求職者を同時に担当しているといわれている。
単純計算で、週5日勤務×8時間=40時間。50人を担当していれば、1人あたりに使える時間は週に1時間もない。全員に均等な時間を使うことは不可能である。
新規登録してきた求職者には、まず丁寧に対応する。これは「この人は転職する可能性があるか」を見極めるためでもある。
しかし、求人紹介後の反応や面接結果を見て、「この人は今は決まらなさそうだ」と判断されると、優先順位が下がってしまうのだ。
- 面接に落ちた(特に複数回続いた場合)
- 希望条件が市場とミスマッチしている
「見捨てられた」のに転職できた人は約9割
転職エージェントからのサポートが薄くなると、「見捨てられた」ように感じる人もいるだろう。ここで重要な事実がある。「転職エージェントの対応が最初だけ親切だった」と答えた18人のうち、約9割はその後転職できたと回答している。
| 結果 | 人数 | 割合 |
|---|---|---|
| 転職エージェントを使わずに転職した | 7人 | 38.9% |
| 別の転職エージェントで転職できた | 6人 | 33.3% |
| 同じ転職エージェントで転職できた | 3人 | 16.7% |
| まだ転職活動中 | 2人 | 11.1% |
アンケートでは、「転職エージェントを使わずに転職した」が最多で約4割、次に多かったのは「別の転職エージェントで転職できた」で約3割となった。
つまり、「見捨てられた=転職失敗」ではない。途中で対応が変わったとしても、諦めずに動き続ければ、転職は十分に可能である。
転職エージェントから連絡が来なくなった時の対処法
では、頼りにしていた転職エージェントから連絡が来なくなり「見捨てられた」と感じた場合、どう行動すればいいのか。
ここでは、転職エージェントに「選ばれる側」から転職エージェントを「選ぶ側」へ視点を変えるための対処法を紹介する。
STEP1. 連絡が途絶えたら、少し間をおいて自分から連絡する
1週間程度待っても転職エージェントから連絡が来なくなったら、「その後、新しい求人はありますか?」などと、こちらから連絡を入れてみよう。
自分から連絡することで、「この人は本気で転職したいんだ」という印象を与えることができ、担当者の対応が変化する可能性がある。
STEP2. 複数転職エージェントを併用する
もし、自分から連絡しても返信がない場合は別の転職エージェントも検討しよう。1社でうまくいかなくても、別の転職エージェントで転職に成功するケースは珍しくない。
- 転職エージェントごとに異なる求人にアクセスできる
- 複数の担当者から異なる視点のアドバイスをもらえる
- 相性の良い担当者を見つけやすくなる
2〜3社の転職エージェントに登録しておくと、1社の対応が悪くなっても慌てずに済む。
STEP3. 転職エージェントに依存しない転職活動の進め方
複数の転職エージェントを利用しても、担当者の対応に納得がいかない場合もある。そこで改めて心に留めておきたいのは、転職エージェントはあくまで「転職活動の手段の一つ」に過ぎないということである。
転職エージェントに「見捨てられた」と感じたとしても、選択肢はたくさんある。転職エージェントに依存しすぎず、複数の手段を並行して使うことが、転職成功の鍵である。
- 転職サイト:自分で求人を検索・応募(リクナビNEXT、dodaなど)
- 企業への直接応募:企業の採用ページから直接エントリー
- リファラル(紹介):知人・元同僚からの紹介
- ビズリーチ等のスカウト型:企業やヘッドハンターからスカウトを待つ
- SNS(LinkedIn等):プロフィールを充実させてスカウトを待つ
こんな転職エージェントは要注意!避けるべき特徴5選
先述の通り、転職エージェントの対応が変わるのは、ビジネスモデル上ある程度は仕方のないことである。しかし、中には「そもそも利用を避けた方がいい転職エージェント」も存在する。
ここではアンケートで寄せられた実際のエピソードも交えながら、避けるべき転職エージェントの特徴を5つ紹介する。
①最初だけ過剰に煽り、焦らせてくる
「今すぐ決めないと求人がなくなりますよ」「このチャンスを逃したら、もう出会えないかもしれません」
こうした過剰な煽りで焦らせてくる転職エージェントは要注意である。
もちろん、求人には応募期限があるのは事実である。しかし、過剰に焦らせることで判断力を鈍らせ、十分に検討しないまま応募させようとするのは、求職者のためではなく、転職エージェント自身の成果のためである。
焦らされて入社した結果、ミスマッチな転職になってしまっては本末転倒だ。
②求人の中身を説明せず「とりあえず応募」を勧める
「詳しいことは面接で聞けばいいですよ」「まずは応募してみましょう」などと求人の詳細を説明せずに、とにかく応募数を増やそうとする転職エージェントも問題だ。
アンケートでも、このような声が寄せられた。
30代転職エージェント2社利用
相手に合わせた求人じゃなく、自分が推したい求人しか連絡しなくなった。
求職者のキャリアではなく、自分の数字(応募数・決定数)を優先している転職エージェントには注意が必要である。
③フェードアウトが常態化している
説明なく連絡が途絶えるのが「普通」になっている転職エージェントは、組織的な問題がある可能性がある。
アンケートでは、こんな声もあった。
30代転職エージェント2社利用
こちらの希望条件が合わなかった可能性は理解していますが、その説明がなかったため、不安や不信感が残りました。
優先順位が下がること自体は仕方がない。しかし、「紹介できる求人が少なくなりそうです」といった説明すらなく、突然連絡が途絶えるのはプロとして問題がある。
④希望条件を否定するだけで代案がない
「その条件では難しいですね」「もっと条件を下げないと厳しいですよ」
希望条件が市場とミスマッチしている場合、転職エージェントが指摘すること自体は問題ない。アンケートでも「自分の希望条件を否定された」という回答者が4人いた。
問題なのは、否定するだけで「代わりにどうすればいいか」の提案がない場合である。
「なぜ難しいのか」「どう条件を調整すれば可能性が広がるか」を提案できるのがプロの転職エージェントである。
⑤他社転職エージェントの利用を嫌がる
「他社も使ってるんですか?」「うちに絞っていただいた方がサポートしやすいんですが」
こうした他社転職エージェントの利用を嫌がる転職エージェントも要注意である。
アンケートでも「他社転職エージェント利用を嫌がられた」という回答が2人いた。
複数の転職エージェントを並行利用するのは、転職活動では珍しくない。それを嫌がるのは、自分の成果(決定数)だけを考えている証拠ともいえる。
転職エージェントに関するよくある質問
- 転職エージェントに見捨てられたらどうすればいい?
- まずは自分から連絡してみることをお勧めする。「その後、新しい求人はありますか?」と連絡するだけで、状況が変わることもある。それでも反応がなければ、担当変更を依頼するか、別の転職エージェントに登録しよう。また、転職サイトや直接応募など、転職エージェント以外の手段も並行して活用することで、選択肢を広げることができる。
- 転職エージェントがわざと連絡しないことはある?
- 「わざと」連絡しないわけではない。転職エージェントは成果報酬型のビジネスモデルで、1人の担当者が30〜50人の求職者を抱えている。そのため、「決まりそうな人」に優先的に時間を使う必要があり、優先順位が下がった人への連絡が減ってしまう。
- 転職エージェントを複数使ってもいい?
- 複数社の利用は全く問題ない。むしろ、1社のみに依存すると、その1社の対応が悪くなった場合に転職に失敗するリスクもある。2〜3社の転職エージェントに登録しておくことで、リスク分散ができ、より多くの求人にアクセスできる。転職エージェントによって得意な業界・職種も異なるため、複数利用のメリットは大きい。
(イラスト=マンガデザイナーズラボ)