『PRESIDENT WOMAN』月刊化一周年を記念して行ったイベント、「PRESIDENT WOMAN FORUM」。日本全国から200名の女性たちが集ったフォーラムはどんな様子だったのか、ダイジェストでお届けします。

2016年7月9日、紀尾井町カンファレンスで「PRESIDENT WOMAN」創刊1周年記念「PRESIDENT WOMAN FORUM」が行われた。開催の目的は「女性管理職とその候補を応援すること」。雨の降る中、北海道や九州など全国から200名の読者が集まり、会場は熱気に包まれた。

日本航空の植木義晴社長。機長として乗客の命を預かってきた実績から語られる、管理職としての「責任と覚悟」の話は、参加者たちの胸を打った。

開会に先駆け、今井道子編集長からはこんな問いかけが。「『管理職になると責任が重くなる』とか、『両立できるかどうか不安だ』という理由で、管理職になることにためらいを感じている方は多いと思います。ところが、『PRESIDENT WOMAN』の調査では、管理職に昇進した女性の方が、プライベートにおいても仕事においても満足度が高いという結果が出ています。これはなぜなのか。この問いの答えを、今日は皆さんと一緒に見つけたいと思います」

日本航空・植木社長が語る「責任と覚悟」

第1部の基調講演では、日本航空の植木義晴社長に「責任と覚悟」をテーマにお話しいただいた。社長就任以前の35年間、パイロットとして操縦桿を握っていた植木社長は、フライトの際、お客さまの命を預かる重責を担ってきた。機長になる際にはさらに覚悟が必要だった。その植木社長が、管理職昇進試験を受ける社員に、一人ひとり問いかける言葉があるという。

聞き漏らせないメッセージがたくさん。会場には熱心にメモをとる参加者の姿も。

「君たちは生まれてから、いろんなものをリュックに詰め込み、背負って生きてきた。それは家族であるかもしれないし、友達かもしれない。しかしこれから君たちは、リーダーになって、10人の部下を連れて山登りをすることになる。もし途中で、部下が登れなくなってしまったら、全員で山頂を目指すために、自分の荷物を降ろし、部下の荷物を代わりに背負って登山を続けなければならない。君には自分の荷を降ろす覚悟があるか」

今、社長としての僕は、自分の荷物を何も持ってはいないのです、と続ける植木社長の言葉に、参加者は自分自身の働き方を重ねて、深く感じ入った様子だった。

4人の働く女性によるディスカッション「管理職のリアル」

第2部のパネルディスカッションでは、インフィニティ代表の牛窪恵さんをモデレーターとして、ソニー CEO室 シニアマネージャー 陶琳(タオ・リン)さん、日産自動車 SCM本部 車両物流部 担当部長の高道雅子さん、りそなホールディングス 人材サービス部 ダイバーシティ推進室 室長の杉本仁美さん、3名の女性管理職が登壇。今日までのキャリアチャートに基づいて、「管理職のリアル」についてお話しいただいた。

第2部のパネルディスカッション。写真左から、モデレータのインフィニティ代表・牛窪恵さん。パネラーの日産自動車 SCM本部 車両物流部 担当部長の高道雅子さん。りそなホールディングス 人材サービス部 ダイバーシティ推進室 室長の杉本仁美さん。ソニー CEO室 シニアマネージャー 陶琳(タオ・リン)さん
 

世界最大の人口を有する中国にいても埋もれてしまうと考え、日本の大学・大学院に進んだ陶さん。出産後、育休から復帰して数年は、ワークライフバランスを考慮して、子育てに理解のある外国人ボスを指名し、その下で働いていたという高道さん。結婚前、「私は一生働き続けます」とパートナーと働き方について話をしたという杉本さんなど、それぞれ戦略的にキャリアを設計してきた様子がうかがえた。

また「管理職になって変わったことは?」という質問には、こんな回答が。「管理職になる前は、自分さえ高いパフォーマンスを上げていればよかったし、人間関係では上さえ見ていればよかった。でも今は自分だけでなくチームの働きで評価されるし、チーム内の人たちをよく見る必要がある」(陶さん)。「管理職になってからの方が時間の融通がきく。作業はスタッフに任せることができるので。管理職にならなければ、現在の部署には復帰できなかったと思う」(高道さん)。「私の課題はリーダーシップに欠けることだと上司からもずっと言われていた。でも先頭に立ってみんなを引っ張るのではなく、後押しする『羊飼い型』リーダーシップでもいいと分かった」(杉本さん)。

質疑応答では会場から「パートナーとの生活費の分担はどのようにしていますか?」という質問が寄せられた。「必要な金額を出し合う拠出制なので、お互いの収入の額を知らない」「家賃など額が大きいものは夫が出し、それ以外の光熱費や食費は私が出す」など、“稼ぐ妻”のリアルな実態が浮き彫りとなった。

写真上/ネットワーキングパーティーにはJALの植木社長をはじめ、登壇頂いた方々も参加。貴重な機会に、意見交換やネットワーキングをしようと、会場は大いに盛り上がった。写真下/和食のためのクリンスイ「WASHOKU for TEA」で入れた冷茶。体に染みこむような、すっきりとしたうまみのお茶と、目にも涼やかな緑の水色に、評判上々! 「WASHOKU for TEA」の詳細はこちら
 

最後はパーティー会場に場所を移し、参加者による懇談会&ネットワーキングタイム。協賛社の三菱レイヨン・クリンスイコーナーでは、和食のためのクリンスイ「WASHOKU for TEA」で淹れた冷茶を用意。テイスティングした人たちからは、「こんなにおいしいお茶は飲んだことがない!」という声が上がっていた。

参加者からは、「植木社長の“責任と覚悟”という言葉が印象に残った」「数年後にはおそらく管理職になるので、その心の準備ができた」「“管理職とはこうあるべき”という姿に自分を合わせなければいけないような気がして不安だったが、そんなことはないんだと思って心強かった」「女性が少ない職場なので、他社の管理職候補の女性たちと知り合えて刺激を受けた」という感想が。

会場を後にする皆さんの晴れやかな表情が物語っていたように、ウーマンパワーに満ちたフォーラムとなった。今後も「PRESIDENT WOMAN」では、働く女性を応援するイベントを予定している。ぜひチェックしてほしい。