やりたい仕事が今の会社で実現しそうにないのなら……転職に加えて「起業」という選択肢も。本業として事業を起こす、本業をキープしたまま副業を行うなど、起業にはいろんなパターンがあります。あなたに合った起業法が見つかれば、起業家デビューも夢じゃない!

そもそも「起業」ってなんですか!?

「起業」とは、カンタンに言ってしまえば新しく事業を始めること。しかし、起業の方法も取り組み方もさまざま。例えば、その事業で生計を立てていきたいのならそれなりの稼ぎを得られる働きが必要であり、片手間にお小遣い程度に稼ぎたいと考えるなら、副業にすればよい。どちらの働き方も「起業する」という意味では同じ。これらの違いは「リスクをどう取るか」という点にある。組織に属した会社員なら困難に遭遇しても会社が守ってくれ、毎月決まった給料が約束されているが、起業家となれば経済的な不安は常につきまとう。

また事業成功の可否が事業存続の可否にすぐさま結びつく。そういったリスクをどの程度まで引き受けられるかが事業規模の大きさの違いになる。リスクが低く、いつでもその事業から身を引ける状態でいたいのなら、プチ起業や副業を。事業ネタに絶対の自信があるなら、個人事業、または法人化して勝負に出てもいい。事業ネタはないが独立したい……、そんな人には代理店業務やフランチャイズシステムを利用すれば失敗リスクを小さくすることも可能。「なぜ起業したいのか?」を明確にすれば、何をしたらいいのかが見えてくるはず。

まずはお小遣い稼ぎ。軽いノリでもOK

●プチ起業[趣味やキャリアを活かして]

自分の好きなこと、やりたいことで無理せず小さく事業を始めること。働く女性よりも子育てママや専業主婦に向いた起業方法。自宅を開放してネイルサロンや子育てサロンを開いたり、ネットショップでハンドメイド商品を販売したり、知識や経験を活かしたコンサルティング業務など、職種はさまざま。

●週末起業(副業)[会社を辞めずに事業を起こす]

会社に勤めながら、週末や終業後の空いた時間を利用して事業を行うこと。副業の新しい名称。最近はインターネットを利用した事業が主流。小売り、サービス、代行業などインターネットを使えばお金を掛けず、効率よく時間を使うことも可能。週末起業を足掛かりに採算のめどが立てば、そのまま独立も。

事業ネタがあるなら本気で商売!

●個人事業(自営業)[ハードルの低い起業方法]

「起業」=「会社設立」と考えがちだが、法人化せずに事業を始めることも可能。法人化のような煩雑な手続きや設立費用が掛からず、税務署への届け出を行い、納税するだけで「個人事業主」=「自営業者」に。社会的信用度は法人に比べて比較的低く、税制上の優遇措置もないが、小資本で気軽に起業できる。

●法人化[信用度が高く、節税対策も万全]

2006年の会社法施行の流れから現在までに日本でも起業しやすい環境が整えられてきている。場合によっては資本金1円でも、1人でも会社をつくることが可能。社会的信用度も高く、どうせ起業するなら法人化……と夢見がちだが、利益が少ないと税制上法人化するメリットは小。事業内容に応じて検討を。

既存の組織に便乗して起業する

●代理店業務[副業・兼業も可能な起業形態]

保険会社の代理店制度を利用する方法も。企業の知名度が利用でき、経営ノウハウや販促ツールなども提供されるので、保険業務に精通し、資格を有しているならすぐに事業を開始できる。未経験者でも教育支援や経営サポートを行ってくれるシステムもあるので時間は掛かっても独立可能。

●フランチャイズ[加盟金は高いが、失敗リスクは小]

本部に加盟金やロイヤルティを納め、商標利用権や経営ノウハウ、販売システムを提供してもらう。失敗リスクが小さく、宣伝やキャンペーンまで本部が行ってくれるメリットは大。さまざまな業種でフランチャイズが行われているので、自分に合うシステムと出合えればお得感満載の起業方法。