ビジネスの現場で日々積み重ねられる対話。初対面の相手でも、全く知らないテーマに関することでも、「うなずき」を上手に取り入れることで、信頼関係をスピーディーに築くことができます。その効果とバリエーションをご紹介します。

うなずきで相手を安心させる

「うなずき方のバリエーションをできるだけたくさん持ちなさい」

これは、私が若い社員たちに日頃言っていることです。

相手が無反応だと、会話しづらいもの。さりげなく「うなずき」を取り入れて、リアクション上手を目指しましょう。

我が社の社員は20~30代の女性ですが、年々「うなずきが少なくなっている」ように感じます。こちらが一生懸命話していても、無表情で、じーっと黙って聞いている。こちらの話を理解してくれているのかどうかも分からないので、不気味です。

時々うなずいたと思ったら「はい」のひと言程度。ほとんど反応がないので、これでは相手を不安にさせるだけ。仕事相手も「本当に分かっているのかな」と心配になってしまうでしょう。

では、どのようにうなずけばいいのかというと、うなずき方もいろいろです。

「あ~」
「うん、うん(はい、はい)」
「なるほど~」
「へぇ~、それで?」
「そうですよね」

などなど。

話し手は、こうした反応があることで「ちゃんと伝わっているな」「面白がってくれているな」と理解します。つまり、うなずきバリエーションを増やすことは、コミュニケーションの基本です。

もし、話がつまらなくても、10秒に1回くらい「なるほど~」と言っておけば大丈夫。そうすることで、相手に安心感を与えられますし、女性としての包容力を感じさせることもできます。

うなずきバリエーションでビジネスが進む

もうひとつ、ぜひ試してほしいことがあります。うなずきバリエーションの一種ですが、相手の話を聞きながら、相手の言っていることをリピートすることです。

たとえば、「昨日は○○さんとばったり現場で会ったよ」と言われたら、「○○さんとお会いになったんですね」と繰り返すだけ。これだけで、「相手は自分の話をちゃんと聞いてくれている」という確信を持ってくれるはずです。

こうして、会話の中に、うなずきやリピートを効果的に入れられる女性は、相手の気持ちを柔らかくほぐすことができるので、それが信頼につながります。信頼関係が築ければ、お願い事や相談事もしやすい。仕事をする上でのコミュニケーションの土台をスピーディーに築くことができるのです。

もっと言うと、うなずきバリエーションは社会で生き抜いていくための重要な手法と言っても言い過ぎではありません。うなずきが上手なほど、あなたと話をしたがる人が増え、知り合いやあなたのファンが増えていくのです。

うなずきバリエーションが少ない人は、仕事ができる女性のうなずき方を観察して、自分流にアレンジしながら、あなただけのうなずきパターンを増やしていきましょう。

※本連載は書籍『30歳から自分を変える小さな習慣』(島村美由紀著、プレジデント社刊)からの抜粋です。

島村美由紀(しまむら・みゆき)

商業コンサルタント。1956年、神奈川県川崎生まれ。雑誌・書籍の編集業務、シンクタンク研究員を経て、商業コンサルタントとして独立。株式会社ラスアソシエイツ設立、代表取締役就任。都市計画、商業施設計画、店舗業態開発などのコンセプトワークやトータルプロデュースを手掛け、大規模開発を成功させる。ラゾーナ川崎プラザ、羽田空港第1旅客ターミナルビル「スタースイーツ」など、実績は多岐にわたる。著書に『30歳から自分を変える小さな習慣 運を引き寄せる女性の6つの法則』(プレジデント社)(http://presidentstore.jp/books/products/detail.php?product_id=1713)がある。