女性の平均年収は、男性のおよそ半分。同じ女性でも業界によって、あるいは同じ業界内でも企業によって給与は大きく異なる。気になるあの業界、あの会社の給与明細を公開する。
日用品
女性の就職人気ランキングトップクラスの企業であり、実際に女性社員が多い。
ダイバーシティ先進企業のP&Gは、管理職の半分を女性が占める。働きやすいイメージに加えて給与が高いのも魅力。P&Gは米国企業だけに能力と成果で処遇するが、30代前半で管理職、しかも月給80万円というのは、日本企業ではマネできない仕組みだ。とくに花形部署のマーケティング職は高年収で「データ分析にたけたMBAホルダーが多い」(各務社長)という。
資生堂、花王は大手の平均的給与であるが、仕事と子育ての両立支援策も充実し、女性の定着率も高い。が、優秀な女性ほど「外資から狙われやすく、高給で転職していく人も少なくない」(人材紹介会社社長)。
食品
消費者に身近な商品の開発・販売という点でもやりがいを感じられる。その中でも、味の素は総じて満足度が高い。だが、酒類を扱う会社の営業はもともと男性の仕事。「営業は結構過酷です。接待営業もあるし、酒を飲まない日はないというぐらい体力勝負のところも」(各務社長)。
キリンも2000年代当初は離職する女性が3割を超えたこともあったが、働きやすい仕組みに注力し、今では定着率も高い。
サントリーは家族主義的雰囲気の会社で、住宅手当など諸手当が充実。ロールモデルとなる活躍している女性は多い。
小売りメーカー
消費者に最も近く、女性社員も多い業界だが、給与は他の業界に比べてそれほど高くはない。年功的賃金制度を維持しているため、若手の給与は低い。しかし、大卒総合職は幹部候補として育成され、昇進が早いのもこの業界の特徴。髙島屋の女性は33歳で管理職、しかも年収は630万円と高い。
とくに近年は優秀な女性の採用に力を入れており、髙島屋は優秀であれば女性の採用比率が5割を超えても採りにいくという姿勢だ。
イオンも女性管理職比率は現在7%だが、2020年には50%の達成を目指して育成中。この業界は非正規の女性社員も多く、正社員への積極的な登用を推進する。女性活躍推進の最前線でもある。
※年間1700万人が利用する企業口コミサイト「キャリコネ」の協力で、各社の給与明細を掲載。