限られた時間の中で成果を上げる人には、何か秘密があるはずです。1日の時間の使い方はもちろん、1週間の流れの中でも、仕事と生活の緩急のリズムを上手につくっているに違いありません。8人の時間管理の名人たちにその秘訣を聞きに行くと……
バイリンガル秘書として活躍する風見幸代さん。彼女の英語力はOJT、つまり「現場に立つこと」によって育まれたという。十全な語学力ではないにもかかわらず、外国ではホテルのフロント業務を任されたこともあった。
「語学力が未熟でも現場に飛び込む勇気を持つことが大切」と風見さん。
今では、外国人の上司たちのスケジューリング業務などにあたる。しかし激務を極める重役たちゆえ、予定通りに進まないことも珍しくはない。
「トラブルのためのバッファー(時間的な余裕)を予定に組み込みます。それでもハンドリングできないことも多い。尽力できる範囲に力を注いだら、あとは柔軟に対応します」
処理すべき案件は徹底的に可視化する
日常業務は、実務から上司の出張や食事の手配まで多岐にわたる。彼女の時間管理術のコツは「可視化」にあった。
「処理すべき案件は、データをプリント。そしてクリアファイルに集積していきます。クリアファイルは『今(今日)やること』『あとでもよいこと』の2種類に大別します」
つまり「To Doリストをつくる手間」も省くというわけだ。このような時短の達人の風見さんは、国内外の難関秘書資格ホルダーでもある。驚くべきことに、資格取得にチャレンジし始めたのは日本コカ・コーラに入社して5年目から。「時間は1分でもムダにしたくない」という風見さんのポリシーのたまものだ。
■風見さんの1週間
【平日】
08:15 出社
08:30~09:00 上司とその日のスケジュールについての打ち合わせ
12:00 昼食 (外食、もしくは席ランチになることもある)
19:00 退社(より遅くなることもある)
【土曜日】
友人とランチや買い物へ
夜は自宅でDVD観賞
【日曜日】
ネイルや、まつげエクステンションのサロンへ
■時間管理の鉄則3カ条
1. やるべきタスクはプリントして可視化し、ファイリングしておく
2. 通勤時間などの「すきま時間」を大切に積み立てる
3. トラブルも「織り込み済み」。ゆとりあるスケジュールを
外資系大手企業勤務を経て海外へ。イギリス、アイルランドなどで現地採用にこだわり、さまざまな職種を経験。帰国後1999年に日本コカ・コーラ入社。秘書検定1級、国際秘書(CBS)、「秘書のMBA」と称される「米国上級秘書上位資格」(CAP-OM)も取得。