今しかできない「最大の投資」を

「AIが人間の仕事を奪う」と懸念される一方で、多くの専門家や有識者は「AIに代替されにくい能力」に光を当てています。

たとえば、IBM会長兼CEOのアルヴィンド・クリシュナ氏は「AIの時代において批判的思考力が極めて重要になる」と主張し、アクセンチュア会長兼CEOであるジュリー・スウィート氏は「学び続ける能力が鍵であり、学びたい人材が必要だ」と語っています。

さらに、現スタンフォード大学のAI研究所の共同設立者であり、元Google CloudのAI主任科学者でもある、フェイフェイ・リー氏は「人間の共感と愛情は、現時点では技術的にAIには再現できない能力である」と指摘しています。

またEXIN(オランダの経産省主導で設立されたITプロフェッショナル認定機関)のデジタルスキルディレクターであるスザンヌ・ガレトリー氏も「AIが発展しても、リーダーシップ、創造性、判断力、共感性などの人間のスキルは依然として重要です」と述べています。

こうした見解は、まさに先述の「愛される人格」「ビリーフ」「コミュニケーション能力」「目標達成スキル」「考える力」といった非認知能力の価値が、これまで以上に高まることを示唆しています。

人格も能力も高い人は信用されます。

そして信用される人には、人も情報もチャンスも集まってきます。

だからこそ幼少期から「正直さ」「礼儀正しさ」「思いやり」「共感力」をはじめとした、前述した5つの非認知能力を中心に据えた教育が、長い目で見て最大の投資になるのです。社会的な信用の土台をしっかり育ててあげたいものです。

子供の「正直さ」を損なわないために

まとめ
○ 子どもがなかなか起きてくれなかったり、部屋を散らかしっぱなしにしたりすると親のイライラは募る。しかし、そうした習慣を強制的に直すことよりも、優先度の高いしつけ「“社会で信用される人間”になるための資質を育てること」がある。

○ 否定的な言葉ばかりを投げかけると、子どもの自己肯定感が傷つき、正直さが損なわれ、将来にわたって「信用されにくい人間」になるリスクが高まる。「嘘をつかず正直であることはなぜ大切なのか」「相手に失礼な振る舞いをすると何が起こるのか」といった社会性に関わる価値観を、日頃から丁寧に伝えることが最優先。

○ AIが進化するほど、人間らしさを活かせる分野や能力が注目されるのは確実。

ぜひ、子どもの未来にまで思いを馳せた「しつけの在り方」を考えてみてください。