親に大切にされた子は自分自身を大切にする
「自分は親に大切に育てられたと思わない」「自分を大切にしてくれる大人がいない」と答えた生徒は、「高校時代に異性との性的な関係を持つことはかまわない」と答えている割合が非常に高い。「親に大切にしてもらった」「自分を大切にしてくれる大人がいる」と答えた生徒の2~3倍に上りました。
「万引きの経験がある」と答えた生徒は4倍、自傷行動があった生徒は3倍です。
「大切にしてもらった」「大切にされている」経験が、自分自身を大切にしようとする気持ちにもつながっていくのだろう、と考えられます。
子どもたちがなにをもって「大切にされた」と感じるのかは、人によって違うと思います。母親に限ったことではないかもしれないし、一緒にいた時間が長ければいい、ということではないでしょう。だって、長時間いやな育てられ方をされたら、子どもはたまりませんからね。
いずれにせよ、子ども自身が「大切にしてもらった」「大切にされている」と感じている場合に、大きな問題が起きることは少ないのは確かです。
お母さんのにおい、声を覚えているか?
大学の博士課程のとき、シュタイナー教育を専門にしている方と知り合いました。この方はすでに大学の先生だったのですが、私と同じ大学で博士号をとるための研究をされていて、主に日本と中国の大学生の比較調査研究をしておられました。
正確にすべてを覚えているわけではないのですが、たとえば「あなたは赤ちゃんのころのお母さんのにおいを覚えていますか」という質問があり、日中の大学生に5段階で回答させるんです。「まったく覚えていない」「覚えていない気がする」「どちらともいえない」「覚えている気がする」「よく覚えている」というような5段階です。
また、同じように「赤ちゃんのころに聞いたお母さんの声を覚えていますか」「お母さんに添い寝をしてもらった記憶がありますか」といった設問などがあります。中国人の大学生、日本人の大学生が無記名でこうした問いに答えていく、という調査です。


