「MIRARTHホールディングスのスタートの時期を経て、当社をより深く理解していただくフェーズに入ります」――そう語るのは、コーポレートコミュニケーション室の高木幸子室長。不動産事業、エネルギー事業、アセットマネジメント事業を通じて、さまざまな課題を見つめながらサステナビリティの取り組みを加速させ、「地域社会のタカラとなる」企業を目指す。

グループのシナジーを発揮して社会に貢献したい

――「MIRARTHホールディングス」となって2年以上が経ちました。

【高木】2022年10月、創業50周年の節目に「Mirai(未来)」と「Earth(地球)」を組み合わせた社名で新たなスタートを切り、「Our Purpose(存在意義)」として「サステナブルな環境をデザインする力で、人と地球の未来を幸せにする。」を定めました。不動産事業は引き続き主軸としつつ、エネルギー事業のさらなる推進、アセットマネジメント事業の強化など、グループのシナジーを最大限に発揮できる体制を整え、「未来環境デザイン企業」として社会に貢献していくことを目指しています。

高木幸子 MIRARTHホールディングス株式会社 コーポレートコミュニケーション室長 グループ広報課 兼 サステナビリティ推進課 課長
高木幸子
MIRARTHホールディングス株式会社
コーポレートコミュニケーション室長
グループ広報課 兼 サステナビリティ推進課
課長

グループの全従業員が参加する「KICK OFF FORUM」や「スポーツフェスティバル」といった各種イベントでの紹介、イントラサイトを通じてトップや役員たちが思いを伝えるなど、従業員が頻繁にパーパスに触れる機会を設けました。そうして一気に社内にも浸透し、現時点でパーパスの内容を明確に認識している従業員の割合は90%を超えました。ただ、もちろん掲げて終わりではなく、今後はいかに具体的な取り組みとして推進していくかがより問われます。ここまでは、まずはMIRARTHホールディングスのスタートについて社内外に発信していく時期でした。次はパーパスを実現するための当社の取り組みに関して、皆さんに理解を深めていただくフェーズだと捉えています。

その一環として、2024年10月から、パーパス推進プロジェクト「MIRAI for EARTH(ミライ・フォー・アース)」を始動させました。「MIRARTH」という社名をもっと浸透させるという目的はもちろん、地道な活動から大規模なプロジェクトまで、私たちがどんなことに取り組んでいるのかをお伝えできるものにしたいと考えています。

「コミュニケーションブック」で一人ひとりの意識向上へ

――脱炭素社会の実現においてどんな目標を設定していますか。

【高木】当社グループでは、マテリアリティ(重要課題)として「気候変動・脱炭素化への対応」「再生可能エネルギーの安定供給と利用促進」を掲げ、「2050年度までにCO2排出量ネットゼロ」を目標として設定しています。2030年度までの中期目標として「CO2排出量(Scope1,2および3)の45%削減(2022年度比)」を目指しており、各部門がそれぞれの事業活動を通じた環境への取り組みを強化しているところです。CO2削減につながる再生可能エネルギーの導入を促進し、総発電規模は「2030年3月期までに780MW(太陽光換算)」を目指しています。また、環境性能の高い不動産の開発を推進し、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)マンションや、建築環境総合性能評価システム「CASBEE-建築(新築)」等の環境性能認証の取得を目標として設定しています。

ZEH-M Orientedとして省エネ性能表示制度BELS(ベルス)の5つ星を取得した「レーベン大分駅南LUXES」
ZEH-M Orientedとして省エネ性能表示制度BELS(ベルス)の5つ星を取得した「レーベン大分駅南LUXES」
 
「CASBEE-建築(新築)認証」のAランクを取得した「L.Biz松山一番町」
「CASBEE-建築(新築)認証」のAランクを取得した「L.Biz松山一番町」

2030年3月期に向けて策定した「長期ビジョン」において当社グループが打ち出しているのは、「地域社会のタカラであれ。」という姿勢です。地球規模の課題に立ち向かいつつも、目の前には地域それぞれが抱えている課題があります。私たちが地域の皆さんと同じ目線を持ち、一緒に課題解決に取り組みながら、未来のまちづくりに貢献できたらと考えています。

地域社会に求められる存在になるには、やはり当社グループの従業員一人ひとりの意識、行動が大切です。サステナビリティサイトや統合報告書を通じて情報発信を行っていますが、サステナビリティの取り組みと自身の業務がどう結び付くのか、その理解をサポートするための「サステナビリティ コミュニケーションブック」を制作し、全従業員に配付しました。太陽光やバイオマス発電、ZEHマンション、都市開発、地域創生など、さまざまな事例を掲載しています。「普段の業務そのものがサステナビリティに繋がっている」ことを再認識してもらうことで、より行動を促すことができればと思っています。今後さらにサステナビリティ経営を加速させ、「Mirai(未来)」と「Earth(地球)」で「MIRARTH」(未来環境デザイン企業)と名乗っているからには、むしろ社会をリードできる企業へ進化していきたいですね。

全従業員を対象に社内投票を実施。楽しみながら関わっている

――「環境フォト・コンテスト」への参加について、どのようなことを感じましたか。

【高木】重要な社会貢献活動の一つと位置付けています。多数の素敵な作品の中からテーマに即した作品を絞り込み、全従業員を対象にした投票によって決定します。それぞれが楽しみながら参加していますし、活動に携わることでサステナビリティに対する意識も一層高まります。そうして選んだ優秀賞「浜辺の親子」は、これから始まる新しい1日を照らす朝日、向き合いながら砂浜で遊ぶ親子が映され、その表情は見ることはできないものの、優しさにあふれた母と子の「幸せ」を感じ取ることができます。また、佳作の「天を仰いで」と「風」も、当社のテーマを見事に描いた素晴らしい作品です。

地球環境保全、サステナビリティは今だけ力を入れればよいというものではなく、当社だけの取り組みで課題を解決できるわけでもありません。ステークホルダーの皆さんと力を合わせることが欠かせず、かつ長期的に続けていくべきものです。環境フォト・コンテストなどを通じて、思いを同じくする人が集まり、一緒に地球の幸せを守っていく。そんなふうに広がっていけばと願っています。

●「環境フォト・コンテスト2025」入賞作品

●募集テーマ:人と地球の幸せ

2025優秀賞「浜辺の親子」小澤 宏さん
2025優秀賞「浜辺の親子」小澤 宏さん
2025佳作「天を仰いで」反保祐介さん
2025佳作「天を仰いで」反保祐介さん
2025佳作「風」糸澤孝司さん
2025佳作「風」糸澤孝司さん