世の中に「心の豊かさ」をもたらすべく、事業活動を進化させているJT(日本たばこ産業株式会社)。持続可能な社会の実現に向け、サステナビリティ戦略のさらなる推進、強化を図っている。サステナビリティマネジメント部の太田壮雄さん、社会環境推進室の澁谷綾香さんに、取り組みのポイントを聞いた。

目標を包括的にまとめることで目指すべき姿を明確に

――JTグループの取り組みについて教えてください。

【太田】当社グループでは「4Sモデル」の追求を経営理念としており、「自然や社会が持続可能であって初めて、人の暮らしや企業の活動も持続可能となる」と考えています。「4Sモデル」には、お客さまを中心として株主、従業員、社会の4者に対する責任を高い次元でバランスよく果たし、4者の満足度を高めていくという意味があります。自然や社会の持続性を追求し、未来づくりを担う企業であり続けること。そのためにさまざまな活動を推進していくことが、私たちのサステナビリティマネジメントです。

太田壮雄さん 日本たばこ産業株式会社 サステナビリティマネジメント部 課長
太田壮雄さん
日本たばこ産業株式会社
サステナビリティマネジメント部 課長

さまざまな活動を体系化し、パーパスである「心の豊かさを、もっと。」を起点としたサステナビリティ戦略を策定しています。具体的には、グループが優先的に取り組む重要課題(マテリアリティ)として「自然との共生」「お客様の期待をこえる価値創造」「人財への投資と成長機会の提供」「責任あるサプライチェーンマネジメント」「良質なガバナンス」を特定しています。また、これらのマテリアリティを踏まえたJT Group Sustainability Targets(サステナビリティターゲット)を2024年2月に新たに策定しました。これまでエネルギー・温室効果ガス(GHG)、自然資源、廃棄物の領域において目標を掲げ、取り組みを進めてきた「JTグループ環境計画2030」はその内容を維持・更新した上で、パーパスの具現化を通じて持続可能な自然や社会づくりに貢献していくべく、全25項目からなるサステナビリティターゲットに統合しています。さまざまなサステナビリティの目標を包括的にまとめることで、目指すべき姿が明確になったと考えています。

「心の豊かさといえばJT」と思ってもらえるような存在に

――具体的な目標はどういったものかお聞かせください。

【太田】サステナビリティターゲットは、これまで進めてきた各事業の取り組みの目標を包含しつつ、目標の改定や新規追加を行い、より進化したターゲット群としました。例えば、たばこ事業における再生可能エネルギーに係る目標については、これまでの取り組みの進捗を踏まえて目標年を前倒しし、使用する電力のうち2025年までに50%、2040年までに100%を再生可能エネルギー由来の電力とする目標へ改定しました。より野心的となったこの目標の達成に向け、現在取り組みを加速させているところです。他にも、自然資源や廃棄物など従前から設定していた目標に加えて、「自然との共生」の観点から生物多様性の保全を見据えた生態系影響評価の実施や、葉たばこ栽培におけるより安全で環境に配慮した農薬への置き換えに係る目標を追加しています。

また、「自然との共生」以外のマテリアリティにおいても、JTグループらしい目標や取り組みとすることを重視し、複数の目標を追加しています。例えば、葉たばこ農家の方々の生活収入測定やグリーバンス・メカニズムの構築などは、新たに設定した目標です。これら全ての目標について定期的に点検・見直しを行う運用方法を整えており、さまざまなサステナビリティのテーマやニーズの変遷に合わせ、今後も継続的に進化させていきます。サステナビリティターゲットに定める具体的な取り組みを遂行して「心の豊かさを、もっと。」を具現化していくことによって企業価値を高め、持続可能な自然や社会づくりに貢献していきます。「心の豊かさといえばJT」と思ってもらえるような存在を目指します。

JTグループのサステナビリティ戦略
JTグループのサステナビリティ戦略

「心の豊かさ」とは何かを考える機会に

――環境フォト・コンテストに込めた思いとは。

澁谷綾香さん 日本たばこ産業株式会社 社会環境推進室メディアリレーションチーム 課長代理
澁谷綾香さん
日本たばこ産業株式会社
社会環境推進室 課長代理

【澁谷】「第31回環境フォト・コンテスト2025」より、募集テーマを「共存」から、当社グループのパーパスである「心の豊かさを、もっと。」に変更いたしました。すぐにイメージできるような答えがなく広義なテーマであったため、応募者から「今までの共存と比べて、とても難しかった」との声をいただきました。しかし、われわれがテーマに込めた思いが全ての作品に体現されており、この言葉の力や重要性を実感しましたし、改めて「心の豊かさ」とは何かを考える機会にもなりました。特に、優秀賞作品「木の枝運び」は木の枝を持った男の子のワクワク・キラキラとした楽しそうな表情から、豊かな自然環境は心の成長にもつながっていくのだと強く感じることができます。

「今ここにある何気ない瞬間」にも喜びを見つけられる、そんな心の豊かさを大切にしていきたいという私たちの姿勢を、環境フォト・コンテストを通じて広く伝えられたらうれしいですね。さらには、作品が世界に向けて発信され、多くの人々の心に届くことを願っています。

●「環境フォト・コンテスト2025」入賞作品

●募集テーマ:心の豊かさを、もっと。

2025優秀賞「木の枝運び」町田 平さん
2025優秀賞「木の枝運び」町田 平さん
2025佳作「春の宴」大久保辰朗さん
2025佳作「春の宴」大久保辰朗さん
2025佳作「今年も宜しくね!」五十嵐信一さん
2025佳作「今年も宜しくね!」五十嵐信一さん